佐々木紀彦×入山章栄対談〜大義とやりたいことが結びついた時,ユニコーンが生まれる
2019年2月22日,「Sendai for Startups!2019」で,NewsPicks最高コンテンツ責任者・佐々木紀彦さんと,早稲田大学ビジネススクール准教授・入山章栄さんの基調講演対談を聞いてきました。
約90分間,非常に濃い内容で多くの学びを得ました!
【目次】
【ポイント①:イノベーションの本質】
イノベーションはどのようにして生まれるのか?
イノベーションの本質は,かけ離れた既存の知と知の組み合わせ(A×Z)。
しかし,人間の認知には限界があり,A×BとかA×Cとか,身近な知の組み合わせは考え尽くされています。
そこで重要なのは,「身近な知」を深める「知の深化」だけでなく,「かけ離れた知」を求める「知の探索」。
縦軸が「知の探索」,横軸が「知の深化」のグラフをイメージすると,45度の右肩上がりの直線が理想。
しかし現実には,縦軸の「知の探索」に力を入れるのが難しく,30度くらいの直線となることが多い。
なぜなら,「知の探索」をベースにした事業は採算性が悪く,失敗が多く,組織の継続的なサポートを受けにくいため。
これを個人レベルに落とし込んで考えると,これまでと異なる新しいこと=イノベーションを図るには,「手元の情報」だけであれこれ考えるのではなく,「情報を増やす努力」をしっかり継続的に行うべき,ということになります。
【ポイント②:ユニコーンの誕生】
出口治明さん(ライフネット生命保険株式会社創業者,立命館アジア太平洋大学学長)の言葉だそうです。
ちなみにユニコーンとは,評価額10億ドル(約1250億円)以上で非上場のベンチャー企業を指します。
一般に起業する際には,「自分のやりたいこと」「情熱を注げること」をすべきとされます。
「自分のやりたいこと」の先に客がいれば,事業として成立。
しかし,大きくブレイクするには「大義」が必要であると。
たとえば,新素材の開発・販売に情熱を注ぐ人を想像します。
「好きだからやっているんです!」では人々の共感や支援はそれほど得られず,大きなブレイクは難しい。
しかし,「自分のやりたいこと」に加えて,「新素材の普及で地球環境問題を解決したい!」といった「大義」があれば,広く社会の共感・支援を得ることができ,ユニコーンが誕生します。
「多くの場合,この大義が浅く薄い」と佐々木さんは言っていました。
「やりたいこと」×「大義」がハイレベルでマッチすれば,組織でも個人でも最強ではないでしょうか。
【ポイント③:想像力・創造力は移動距離に比例する】
「想像力・創造力は移動距離に比例する」
前述の出口治明さんは「人・本・旅」の重要性を強調しています。
人間が賢くなるためには,この3つがとても大切だと。
移動距離が増えるとは,人や旅と出会う体験が増えること。
実際に見て,聞いて,嗅いで,味わって,触れて,五感で体験する良質なインプットをすることで,良質なアウトプットが可能になるのです。
【まとめ】
この他,以下のような話がありました。
- これまで出会った優秀な経営者は,例外なく明確なビジョンと腹落ちするストーリーを語る
- 時代を超えた普遍的な価値を見抜いて大義を語るため,「教養」が大切
- ビルゲイツ,マークザッカーバーグ,柳井正は「教養」を重視する大変な読書家
- 100のキーワードの中から最も大切と思う言葉を1つ選ぶリフレクション(内省)がオススメ
佐々木さん,入山さん,ありがとうございました!(^^)
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