「達人伝」感想(第171話・丹の連合)
「達人伝」感想(第171話・丹の連合)
「蒼天航路」の王欣太(キングゴンタ)先生が連載している「達人伝」のあらすじと感想を紹介します!
今回は「第171話・丹(あかし)の連合」です!
<漫画アクション2021/1/5発売号「達人伝」より>
【目次】
達人伝〜盗扇の初陣〜
今回は、十代目盗跖(とうせき)・盗扇(とうせん)の魅力に釘付けです!
馬の背から飛び上がるようにして楊端和(ようたんわ)へ斬りかかる盗扇。
ポイントは、足技と色香。
時に斬撃を防ぎ、時に蹴って攻撃を加える足技は、兄貴の八代目盗跖ゆずりと推察しました!
そして、なまめかしい胸まわり、腰まわり、太ももまわりから目が離せません(笑)
戦っている最中に、急に近づいて話しかけられたり、「あんた意外に可愛いね」など言われたら、そりゃ男は動揺するに決まってます(笑)
「隙を盗み 心を盗み いつの間にか命まで盗む」
「それが盗跖!達人領域の盗賊ってもんさ」
なるほど!
盗扇が何を武器に敵と戦うかといえば、男と同じような力強さはない。
先代、先々代盗跖のような,修羅場で磨き上げた武技もない。
しかし、盗扇には、男性にはない女性特有の色香という魅力=武器があります。
「やっぱり秦の武将は手強いね」と、ぷーっとしたふくれっ面もかわいい。
盗扇のようなべっぴんさんなら、大いにだまされてみたいものです(笑)
<十代目盗跖の盗扇〜漫画アクション2021/1/5発売号「達人伝」より〜>
話は脱線しますが、首都圏連続不審死事件を起こした木嶋佳苗という人物がいます。
いわゆる婚活連続殺人事件を起こし、金銭目的に6人の男性と付き合って次々と殺し、死刑が確定しています。
この女性、控えめにいって、見た目はどうということはない。
もっと率直にいえば、決して現代的な美人の部類には入らない顔ですが、上記のとおり6人の男性を手玉に取った上、なんと獄中結婚を3回もしているんです!
おそらく、男性を虜にする「容姿ではない何らかの魅力」に優れているのでしょうね。
くわばら、くわばら……
達人伝〜盗扇の魅力〜
それはさておき、われらの盗扇ちゃんです、盗扇ちゃん!
ゴンタ先生の描く女性は、見た目もキャラクターも本当に魅力的です!
以前、ゴンタ先生は編集者に連れて行ってもらった祇園のお茶屋さんで、漫画通の芸妓さんに「ゴンタはんの作品には、二枚目がいはらしまへんなぁ」と言われたそうです。
そこで、ゴンタ先生が渾身の二枚目として登場させたのが、達人伝の白起(はくき)。
白起は、文句なしの二枚目でしょう!
一方、「美人さん」は、ゴンタ先生の作品にしばしば登場しているのではないでしょうか?
「達人伝」では、やはりこの盗扇。
「蒼天航路」では、劉備と結婚した孫権の妹・曄夏(ようか)がキリッとした美人さんでした。
盗扇も曄夏も、眉目秀麗。
体全体のラインがバイオリンのようにしなやかで、脚線美もパーフェクト。
男勝りの激しい気性を持ちながら可憐な一面もあり、情に厚く、男というものをよく理解する知性と包容力も備えている。
最高ですやん(笑)
最近、いい女と出会ってないな〜と思いました。
だまされてもいい!と思えるほどの「いい女」絶賛募集中です!(笑)
だます値打ちのある「いい男」になるのが先ですかね?
<孫権の妹・曄夏〜蒼天航路コミック第25巻「江南の花嫁」より〜>
余談ですが、凄腕の詐欺師は、「だます」という意識で相手と接しないそうです。
「これは相手のため!」と自身を信じ込ませているからこそ、相手にもその熱意、本気度が伝わるとのこと。
むかし、100万円ほどするダイヤモンドを購入する詐欺にあったことがあります。
相手がべっぴんさんだったからではなく、私を本気で信じ込ませるほど凄腕の詐欺師だったからだ!と思うことにしています(笑)
達人伝〜庖丁の牛刀〜
さらっと読み流しそうでしたが、これまで大活躍してきた庖丁の伝説的な牛刀が失われるエピソードが、なぜここで盛り込まれたのでしょうか?
その必然性とは?
荘丹は秘剣・絶界を体得しましたが、庖丁の牛刀は叔父貴から譲られたもの。
いわば、庖丁自身の鍛錬や努力で獲得したものではありません。
牛刀は、馬に向けるだけで敵軍を混乱に陥れるスーパーアイテム。
歴史に名は残らないけれど、歴史を動かした流氓(りゅうぼう)の武器としてふさわしくない。
いつまでも叔父貴の力に頼らず、庖丁自身の力に自信を持つべし。
秦との大戦を前に自立を促す,そういう趣旨なのかもしれません。
<庖丁に文句をいう面々〜漫画アクション2021/1/5発売号「達人伝」より〜>
しかし、ほかほか湯気や匂いが伝わってきそうで、ゴンタ先生の描く料理は魅力的です。
庖丁の極上めしは、どんな料理だったのでしょう?
当時の中華料理を再現したものがあったら、食べてみたい!
社会レベルで、戦争や災害がないこと。
個人レベルで、病気や事故がないこと。
そして、おいしい食事が食べられること。
これらが満たされれば、人生けっこう幸せではないでしょうか?
庖丁の料理を楽しみにしていた面々が不満をいうのも、よーくわかります(笑)
達人伝〜盗扇と劉邦〜
盗扇と劉邦の出会い、これはドキドキ&爆笑でした!
盗扇にすれば、大好きだったお兄ちゃん(八代目盗跖)と瓜二つの若者が登場。
劉邦にすれば、すんごいべっぴんさんが一目惚れしたのか、どんどん近づいてくる。
「姐さんなら ちゃんづけしてほしいかもな〜」と鼻の下を伸ばしまくり(笑)
<盗扇と劉邦の出会い〜漫画アクション2021/1/5発売号「達人伝」より〜>
冷静に考えれば、おいっ子とおばの関係。
恋愛感情は禁物。
ですが、もしかして、もしかするのか?と思いつつページをめくると、「馬鹿ぁーつ」と「びったーん」(笑)
手痛い一撃をくらい、あてが外れて意識が吹っ飛んでいる劉邦や、「ぷぷっ」「くくくっ」と笑う部下たちもいい。
こういうユーモラスなテイストも、微笑ましくて大好きです!
<劉邦にビンタする盗扇〜漫画アクション2021/1/5発売号「達人伝」より〜>
達人伝〜連合軍結成〜
楚の項燕(こうえん)が、春申君のメッセージを読み上げます。
内容は楚の全面支援を約するもので、ここに趙将・龐煖(ほうけん )を総指揮官とする連合軍が結成。
今こそ天下の義心を魏に注ぎ、秦の謀略を打ち砕くべし!
荘丹、庖丁、無名の「丹の三侠」の無垢な義侠心。
これが、楚の項燕、趙の李牧・龐煖、盗跖、劉邦を呼び寄せ、そして趙の大将軍・廉頗をつき動かして魏へ亡命させたのです。
権力を持たず、後世に名前が残らないけれど歴史を動かした流氓(りゅうぼう)。
「丹の三侠」の義侠心が結実した、面目躍如の瞬間ですね!
<春申君の言伝を読み上げる楚の項燕〜漫画アクション2021/1/5発売号「達人伝」より〜>
達人伝〜不穏な秦軍〜
役者は揃いました!
次回以降の展開が楽しみです!
といいたいところですが、最後の2ページがなんとも不気味……
<魏軍への参加を拒否される廉頗〜漫画アクション2021/1/5発売号「達人伝」より〜>
魏軍に加えてくれるよう頼む廉頗に、首を横に振り拒否する魏将・晋遼。
「やはり拒むか…」と魏軍から離れた廉頗がしばらくして振り返ると、積み上げられた魏軍の首の山。
首と手の突き出たオブジェは、サディスティックでヤバイですね…(ちょっと苦手な人もいそうなので画像は割愛)
そして、「ひゅ〜」と涼しげな表情を浮かべる秦王・政。
なんと、国境付近の魏軍は、秦王自らの攻撃により壊滅した模様です!
晋遼は、信陵君から指揮権を引き継いだ大将軍級の人材のはず。
魏軍は、相当切迫した状況と推察されます。。。
秦王・政の戦の手腕は未知数。
ですが、秦軍には盤石の総帥・蒙驁(もうごう)はじめ、王翦、麃公など優秀な将軍が揃っています。
前回の函谷関戦では、中原の英雄・信陵君が万丈の気を吐いて蒙驁と互角以上の戦いを演じましたが、今回、連合軍に信陵君はおらず、苦戦が予想されます。
次回、「第172話・帝国の絵図」をお楽しみに!
前回のあらすじと感想はこちら!
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