「対面同席五百生」という言葉を知っていますか?
対面同席五百生(たいめん どうせき ごひゃくしょう)という言葉を知っていますか?
仏教の言葉で,「いま,対面して同席している人は,過去世で500回の縁がある」という意味です。
【目次】
【500回の凄さ】
「過去世で500回も縁がある!」という考え方は衝撃です。
過去世は動物だったかもしれませんが,もし人間だった場合の妄想シミュレーションをしてみましょう(笑)
仮に,平均寿命50年×500回生きると2,500年。
人類の歴史を700万年とすると,2,500年÷700万年=0.04%なので,たいした長さではありません。
しかも,世界中を移動するようになったのは,せいぜいこの100年。
狩猟採集生活時代の移動範囲は,限定的だったことでしょう。
そもそも,人類の数が少ないので,縁を持つ相手は極めて少数。
生涯に出会える,縁がある人の数は,せいぜい1,000人くらい?
ということは,1,000人×500回生きる=50万人と縁を持つ計算ですが,「生まれ変わる度に,特定の人と500回繰り返し縁を持つ」のは,ストーカーどころの騒ぎではありません(笑)
数字の根拠はまったくの謎ですが(笑),過去世で500回の縁はめちゃくちゃすごいことは間違いなさそうです。
【浅縁,深縁,良縁,悪縁】
「袖振りあうも多生(たしょう)の縁」という言葉があります。
対面同席五百生と同じような意味ですが,「袖が振りあう」程度は「浅い縁」。
親子,夫婦,パートナー,親族,友人,同僚などの縁は「深い縁」です。
また,「良縁」「悪縁」もあります。
良縁に恵まれて幸せになる場合もあれば,悪縁に振り回されて不幸に苦しむ場合もあるでしょう。
500回も縁があれば,関係性は毎回異なり,浅い縁が深い縁となったり,悪縁が良縁となったり,様々な変化があるのではないでしょうか。
【アンネ・フランクとの縁】
以前,ドイツ・フランクフルトのユダヤ人墓地へ行った際のことです。
強制収容所で亡くなったユダヤ人の名前を刻んだ鉄のプレートが,四方を囲む壁一面に埋め込まれてありました。
その何千,何万あるプレートの中からなんとなく1つを選んで撮影し,帰国後によく見て鳥肌が立ちました。
「アンネリース・フランク」と刻まれているのです。
「まさか!」と思って調べたところ,生年月日や死亡時期・場所など,あの「アンネの日記」で有名な「アンネ・フランク」に間違いありません。
友人に話したところ,「アンネの魂に呼ばれたね!」
スピリチュアルな話はあまり信じない方ですが,ただの偶然ではなく,「なんらかの縁があったのかな?」という気がしています。
<アンネリース・フランク 1929.6.12生まれ-1945.3ベルゲンベルゼンで没,と刻印されている>
【まとめ】
対面同席五百生の本質は,「どこでどのような縁があるかわからない。出会いを大切にしよう!」ということ。
過去世や来世のことはよくわかりませんが,現世では巡り巡って思わぬ縁が幸運をもたらすこともあります。
一期一会,大切にしていきたいものです。
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