【自己分析のススメ】学生時代に戻って就活をやり直せるならどうするか?

 

2018年も下半期に突入。

大学3年生は,そろそろ就職活動の準備に取りかかる時期ではないでしょうか。

 

私は民間企業,中央省庁,地方公務員での勤務経験があります。

もし私が大学3年生だったら,どのような就職活動をするか? をご紹介します。

 

 

【この記事を読んでほしい人】

・就職,転職活動を検討している人

 

【はじめに】

誰しも「最高に満足できる就職をしたい!」と思うものです。

私もそうでした。

しかし,結論から言うと,そんな期待はしない方がいい(笑)

 

そもそも,「最高に満足できる就職先」とは,どんな組織でしょう?

誰もが知る超有名で安定した給料の高い会社?

ANA?三菱東京UFJ銀行?トヨタ東京海上日動火災三菱商事

外資系だと,マッキンゼー?ゴールドマンサックス?グーグル?アマゾン?アップル?

あるいは,国家Ⅰ種のキャリア公務員?

 

どれも超有名組織ですが,あなたがその組織にフィットして,活躍,出世できるかわかりません。

活躍,出世したとして,幸せを実感できるかわかりません。

活躍,出世して幸せを実感したとして,10年後,20年後もその組織が存続しているかわかりません。

 

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【生涯安泰の組織はない】

はじめに就職した組織で生涯働き続けることは,変化の激しい今の時代では考えられません。

人生100年時代,多くの企業の寿命より,人間の就業寿命の方が長くなっています。

 

私は現在公務員ですが,それすら安泰ではない,と考えています。

たとえば,アメリカのサンディスプリングス市は,役所の仕事を民間企業にほぼ丸ごと外注しています。

日本でも,気づけば,公務員の共済年金は民間企業の厚生年金と統一。

現在,公務員のリストラはありませんが,働きの悪い職員は評価,給与を下げ,病休職員は退職させるなどの流れが強まりつつあります。

 

【徐々にキャリア形成するイメージを持つ】

就職してから仕事の現実を知り,「イメージと違った!」と気づくことも多いでしょう。

私もそうでした。就業経験のない学生なのだから,仕方ありません。

最初の就活で終わりと考えず,仕事の経験を踏まえ,転職等を通じて,自分のイメージする働き方ができる仕事を探していく。

 

結局のところ,この「自分のしたい仕事のイメージとは?」「自分は何を幸せと感じるのか?」を知ることが重要なのです。

就職活動とは,「いい組織を探す活動」ではなく,「自分の価値観=好き嫌いを探す活動」と捉えた方が,満足度の高い就職先を見つけられるのではないでしょうか?

 

【就職活動で最初に何をすべきか?自己分析!①】

では就職活動の最初に何をすべきか?

ズバリ,自己分析です。

自己分析というと漠然としたイメージを抱きますが,「強み,弱み」「好き,嫌い」を徹底的に探究しましょう。

 

自分の「強み,弱み」を知るうえでオススメのツールは,ストレングスファインダ―。

34に分類された資質の中で,自分の強みは何か,目からウロコです。

 

ちなみに私は,トップ5の資質の中に「目標思考」「原点思考」「分析思考」があります。

「だから,自分は目標や戦略を立てたり,そもそもの原点に戻って考えたり,勝因・敗因の分析が好きなのか!」

「息を吸って吐くように当たり前と思っていたけど,他の人はそうではないのか!」と新鮮な発見でした。

また,ボトム5の資質を知ることで,「これが向いていないのか!」「ここが弱いのか~」と,「あきらめ」がつきます(笑)

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0
 

 

【コラム:スペシャリストを目指す!】

世の中なんでもできる「完璧な人間」などいません。

むしろ,圧倒的な結果を出しているのは「ぜんぜん完璧じゃない人」。

「どこか大きく突出している人」けど「どこか大きく欠落している人」が多いのが現実です。

 

「弱み」の克服には莫大な時間,エネルギーがかかります。克服しても,せいぜい人並み。

しかし,「強み」を磨けば,自分もハッピー,周囲もハッピー。

社会全体から見て,こんな良いことはありません。

 

日本では受験勉強の影響か,「苦手科目を克服せよ!」「弱点から逃げるな!」「何でもできるジェネラリストを目指せ!」という意識,風潮が強いように思います。

実際,東京大学はじめ多くの国立大学は,複数科目でバランスよく得点する必要があり,ひどく苦手な科目があると合格できません。

 

しかし,それは大学入学までの話。社会とは異なります。

社会で働くとわかりますが,庶務,人事,経理,製造,営業などなど,全て1人でやることはありえません。

部署をまたいだ社内異動もままありますが,経理畑から営業畑へといった極端な異動はほぼなし。

「こいつは営業畑があっているな」など,しかるべき所に落ち着くものです。

「餅は餅屋」という言葉があるように,庶務は庶務が得意な人,人事は人事が得意な人がやるのが,本人にとっても周囲にとっても幸せ。

結局その方が,社会全体にとって生産性が高いのです。

 

「苦手から逃げる」という言葉が癇に障るのであれば(笑),「得意な人に譲る」と考えてはどうでしょうか?

「自分の不得意」は「他者の得意」であり,「自分の得意」は「他者の不得意」。

「弱み」は切り捨て「強み」に集中し,勇んでスペシャリストを目指しましょう!

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【就職活動で最初に何をすべきか?自己分析!②】

「強み,弱み」と比べて,「好き,嫌い」の世界は深遠で奥深いものがあります。

「具体」と「抽象」を繰り返し粘り強く往復することで,「自分の内面,本質」がおぼろげに見えてきます。

 

たとえば,私はリンゴが好きです。

なぜ,リンゴが好きなのか?

それは,「甘すぎず,酸味があり,ビタミンCなど栄養が豊富だから」です。

 

ではなぜ,「甘すぎず,酸味があり,ビタミンCなど栄養が豊富」なのが好きなのか?

それは,「甘すぎる食べ物は嫌い,酸っぱい食べ物を好み,健康になりたいから」です。

 

ではなぜ,「甘すぎる食べ物は嫌い,酸っぱい食べ物を好み,健康になりたい」なのか?

ここまで来ると,そろそろ行き詰ります(笑)

が,どうやら私は,「甘すぎるものが苦手」「酸っぱいものが好き」「健康を好む」という「抽象」が導き出されます。

 

ここで再び「具体」へ戻り,検証を試みます。

「甘すぎて苦手なもの」といえば,飴,綿あめ。

「酸っぱくて好きなもの」といえば,レモン,酢。

「健康を好む」といえば,食事,運動,睡眠オタク。

どうやら,この「抽象」は他の「具体」にも当てはまり,間違いなさそうです。

 

さらに,子どもの頃,「甘いものを食べると虫歯になる,骨が溶ける」「酸っぱいものは体に良い」と,さんざん聞かされた記憶も蘇ってきます(笑)

するとやはり,私は「健康」に強い関心があるようで,「リンゴが好き」という具体から「健康が好き」という抽象が導かれます。

ではなぜ「健康が好き」なのか?……

 

といった感じで,「自分の好き」を「具体」と「抽象」を往復させながら,どんどん深めていきます。

「好き」なものであれば,人でも,モノでも,古今東西なんでもかまいません。

「好き」というのは直観的,無意識的,単純なようで,その人の本質を構成する根源的な「要素」「理由」があるはずなのです。

 

【自己分析をどこまでやるか?】

SHOWROOM社長の前田裕二さんは,就活前に自己分析ノートを30冊も書いたそうです。

「具体」と「抽象」を行き来する作業は,非常にしんどい。

実際にやるとわかりますが,1日数時間も考えれば,クタクタになります。

しかし,その作業により,知らなかった「自己の内面」が明らかになるのです。

 

ポイントは,手を動かして実際に書きまくること。

パソコン等で入力してもよいですが,頭でぼんやり考えているだけでは思考は進みません。

何もない白紙から「好き」を書き出すのが厳しい場合は,ツールとして就活用の自己分析本を活用してもよいでしょう。

前田さんも,市販の一番分厚い自己分析本を活用したそうです。

 

では,どこまでやれば自己分析のゴールなのか?

前田さんのように,ノート30冊分もやらないとダメなのか?

私は,「自分がだいたい納得するまで」「おぼろげな自分の概要が見えてくるまで」でよいと思います。

 

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【自己分析の終わりと始まり】

「強み,弱み」は,ストレングス・ファインダーをすれば,おおよそ把握できますが,「好き,嫌い」はおそらく終わりがありません。

 

ただ,自己分析を深める中で,「自分がフィットしそうな働き方」が見えてきます。

サラリーパーソンがいいなら,民間企業がいいのか,公務員がいいのか?

起業家がいいのなら,どの分野がいいのか,実現したい強烈なビジョンは何か?

あるいは,大学院進学や海外留学して,もっと勉強をしたいのか?

はたまた,働くのはイヤ,勉強するのもイヤ,ひたすら遊んで暮らしたいのか?(笑)

 

私は「ひたすら遊んで暮らしたい」生き方もあり,と思います。

ただ,資本主義社会で生きていくにはお金が必要。

「あまりお金のかからない遊び方」で満足できるのであれば,それなりに稼げばよし。

衣食住の生活費を極力抑えたミニマリスト的な生き方もよし。

 

一方,「お金のかかる遊び方」で満足したいのであれば,大いに稼ぐ必要があり。

労働時間を極小に抑えて大金を稼ぐ仕事や,逆転の発想で,遊びを仕事にしてお金を稼ぐ方法も考えられます。

 

世間体に縛られず,自分か本当にしたい生き方,働き方のスタイルが,なんとなくイメージできるようになる。

この地点こそが,自己分析の終わりであり,就活の始まりと言えます。

 

【まとめ】

孫子の兵法にいわく,「彼を知り,己を知れば,百戦して危うからず」。

就職活動で「彼」とは仕事,「己」とは自己の内面。

まず,「己」を掘り下げてよく知ることで,自分とフィットする仕事に出会える可能性が高まります。

 

学生時代,私も決して十分な自己分析ができたわけではなく,今でも自信を持ってできているとは言えません。

ただ,もし大学3年生に戻って就活をやり直せるなら,じっくり時間をかけて本気で自己分析に取り組むことは間違いなく,就活は自分と向き合う貴重なチャンスと言えます。

社会人になったら日々の仕事に追われ,なかなか自分と向き合う時間は取れないものです(苦笑)

 

皆さんの健闘を祈ります!!!

 

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