国指定重要文化財・仙台東照宮へ桜を観に行った話〜仙台なのに徳川家康を祀る?〜
長いこと仙台に住んでいながらご縁がなかった「仙台東照宮」へ行ってきました。
曇り空ではありましたが,ちょうど桜が咲き始めたタイミングで,創建360年あまりの風情を堪能することができました。
<拝殿 : しだれ桜は4月上旬〜中旬が見頃>
【目次】
【仙台東照宮とは】
仙台東照宮は1654年,仙台藩2代藩主・伊達忠宗によって創建。
忠宗の治世は大火や大洪水が続き,江戸幕府から様々な支援を受けて危機を脱したことから,感謝の証として3代将軍・徳川家光に願い出て創建。
5年の歳月,80万人の人手,2万両(約26億円)をかけて完成しました。
【仙台藩と幕府の蜜月関係の象徴】
災害後,仙台藩が幕府からどれくらい支援を受けたのか調べたところ,10万両(130億円)も借用したそうです。
これは石高で20万石に相当し,伊達62万石の3分の1にも匹敵する金額なので,仙台藩は財政的に相当ひっ迫していたのでしょう。
江戸幕府,太っ腹!(笑)
幕府は莫大な利子をつけて返済させたのかもしれませんが,相当な信頼関係がなければ,そもそも貸さなかったことでしょう。
伊達政宗は,3代将軍・家光に「天下の副将軍」と呼ばれて厚い信頼を寄せられたとされ,2代・忠宗の時代も蜜月関係は続いていたと考えられます。
仙台東照宮は,仙台藩と幕府の蜜月関係の象徴といえるかもしれません。
<石階段から望む随身門 : 伊達騒動の結果,撤去された石灯籠もある>
<随身門 : 国・重要文化財。門の左右に随身像が安置されている>
<随身門から宮町が一望できる>
<神輿堂(みこしどう) : 当時,江戸から運ばれた御神体が納められている>
<拝殿 : 日光東照宮はじめ本殿・拝殿が一体の権現造が多いがここは別建物>
<本殿 : 国・重要文化財。残念ながら中を見学することはできない>
<社務所 : 祈祷の受付やお守りを販売している>
【まとめ】
仙台東照宮は,地元の人々に親しまれている印象で,ウォーキングに来ているお年寄りや,就職活動中の学生がお守りを求めて訪れる姿を見かけました。
境内はコンパクトにまとまっており,時間をかけずにさらっと見学できます。
正直,ここだけを目当てにワクワク期待して訪れると,肩すかしを食うかもしれません(笑)
しかし,近くに立ち寄った際や,少し時間があるときににふらりと訪れると,落ち着いた静かな雰囲気に癒され,350年前の歴史に想いを馳せ,ひっそり静かに楽しむことができます(^^)
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