仙台時間とは?
仙台時間とは?
「仙台時間」という言葉を知っていますか?
私が30年以上住む仙台市で,ときどき使われる言葉で,仙台時間とは「仙台人は時間に遅れて来るのがふつう!」「仙台人は遅れて始まるのがふつう!」という意味。
たとえば,15分くらい遅れて来た人がいても,「まあ,仙台時間だっちゃ〜」と周りも笑って容認するといった感じです。
なんという懐の深い悪習でしょう!!(笑)
【目次】
仙台時間〜時間は命〜
時間はお金より大切なものであり,時間とは命そのもの。
したがって,約束に遅れて相手を待たせるのも,自分が待たされるのも私はイヤです。
相手を10分待たせることは,相手の時間を10分ムダにすること。
10人を30分待たせれば,10人×30分=300分=5時間がムダとなります。
5時間もあれば,かなりの付加価値が生まれるのではないでしょうか?
たとえば,10人で30分,部屋の片付けや運搬作業をしたら,ものすごい仕事量となります。
遅れてくる人を待つ時間を有効に使えれば,無駄な時間は発生しないように思えます。
しかし,どれくらい遅れてくるのかわからない状態では,なかなか集中しづらいもの。
したがって,スマホを眺めたり,消極的な過ごし方になりがち。
とてももったいないと思いませんか?
仙台時間〜なぜ遅れる?〜
もちろん,好んで遅れる人はいないでしょう!
当然,私も遅れることはあるし,誰でも遅れるのには理由があります。
朝寝坊した,準備に思いのほか手間取ってしまったなど「個人的な理由」と,渋滞に巻き込まれた,電車が事故で動かなかったなど「不可抗力的な理由」があります。
しかし,就活の面接や初デートで遅刻する人はいるでしょうか?
おそらく,めったにいないと思います。
厳しいようですが,時間に遅れるということは,相手をその程度にしか見ていない証拠。
遅刻を繰り返していけば,やがて信頼を失うでしょう。
仙台時間〜由来〜
そもそも,なぜ,「仙台時間」という言葉が存在するのでしょうか?
私は仙台でおよそ30年,東京や関西で10年ほど暮らしてきましたが,どこの都市にも遅れて来る人は一定割合で存在します。
みんなオトナなので,あからさまに遅れてきた人を非難することは少ないですが,特に仙台では寛容な雰囲気があるように思います。
その理由は,江戸・明治以降続いてきた「東北の農民文化の名残」ではないでしょうか?
関東や関西と比べると,東北地方は商人・町人・工人の割合は少なく,主な産業は農業。
厳しい冬をしのぎ,大変な田植えの春を乗り切り,不作をもたらす夏のやませに耐え,収穫の秋を迎えるには,人々の助け合いが不可欠だったことでしょう。
子どもが生まれたり,家族が病気になったり亡くなったり,様々な事情により農作業ができない時は,「おたがいさま!」ということで近隣の人々で助け合ったはずです。
厳しい自然環境や過酷な農作業に立ち向かうには,他者と厳密な貸し借りを問わず,「なあなあの友好的な関係」を築くことこそが必須で,有効だったのではないでしょうか?
仙台時間〜まとめ〜
東北の農民文化の名残と考えられる「仙台時間」。
実際,たとえば関西のボケとツッコミに代表される「動的で攻撃的な文化」に比べると,東北・仙台は「静的で防御的な文化」という特徴があります。
相手がボケてこようが,時間に遅れて来ようが、適当になんとなく笑ってごまかし,敵対せず,友好的であることを最優先するのです。
もちろん,仙台人すべてがそうではなく人によるので,仙台人を嫌わないでくださいね(笑)
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