「リメンバー・ミー」感想〜家族で見たい奇跡の物語〜
日本では2018年3月公開。
アニー賞で11部門,ゴールデングローブ賞でアニメ映画賞,そして第90回アカデミー賞で長編アニメ映画賞,主題歌賞を受賞した「リメンバー・ミー」。
「トイ・ストーリー」などを制作してきたピクサー(ディズニー)による105分のアニメーション映画です。
じつは「トイ・ストーリー」も観たことがないし,あまりアニメ映画は惹かれないのですが,「これは素晴らしい!」と深く感動したので紹介したいと思います。
【目次】
【リメンバー・ミー あらすじ】
舞台はメキシコ。
主人公の少年ミゲルは,ギターの弾き語りが得意で音楽が大好き。
しかし,一族では代々,音楽の演奏はおろか聞くことすら禁止されてきた。
その理由は,ミゲルの曽々祖父ヘクターが音楽家になる夢を求めて家族を捨てたため。
ミゲルは家族に内緒でこっそり,弾き語りの練習をしていた。
そんなある日,亡くなった先祖が家族に会いに来る「死者の日」の祭典が開催。
ミゲルは家族に内緒で音楽コンテストに出場しようとし,事故で亡くなった郷土の伝説的ミュージシャンであるデラクルスが,じつは自分の曽々祖父であると知り歓喜する。
その後,ミゲルは死者の国に迷い込み,じつは……
【リメンバー・ミー 感動ポイント①】
とにかく,映像が綺麗で美しい!
これほど映像が美しいアニメ映画を観たことがありません。
まるで3D映像のように細部まで深く行き届いた奥行き。
建物,道路,看板,花,果物など「写真?アニメじゃないよね?」というリアリティ。
主人公の少年ミゲルはじめ登場人物はアニメ的な造形をしていますが,瞳,肌,髪の透明感と光の反射は限りなくリアルな人間のそれに近く,2次元を超えた3次元のアンドロイド(人造人間)的存在感を放っています。
また,「死者の国」の描写,世界観が素晴らしい!
この世とあの世をつなぐ橋を渡ると「死者の国」が出現。
幻想的で多彩な色と光が輝く壮麗な城のような全貌が見えてきます。
思わずため息が出る美しさで,「こんな世界なら死ぬのも悪くないな」と思うほど(笑)
スクリーンの大画面で観たら,歓声,鳥肌必至のクオリティです。
【リメンバー・ミー 感動ポイント②】
「死者の国」には「掟」があります。
それは,「生者から忘れられると,死者は2度目の死を迎えて消えてしまう」というもの。
国や宗教により死生観は異なりますが,先祖を大切にしないものはおそらくないでしょう。
黄泉がえり,生まれ変わりが存在するのかわかりませんが,死者にとって生者に忘れ去られることは,やはり深い悲しみではないでしょうか。
私を忘れないで。
生まれるときは一人,死ぬときも一人。
自分が死んで後,年がら年中,生者に悲しまれるのはかなわん,自分の人生を生きてくれと思いますが,すっかり忘れ去られると,それはそれで寂しい(笑)
年に1回くらいは思い出し,懐かしんでくれたら,うれしい。
この作品を観ていると,死に対する恐れや不安は不思議と感じません。
死後の世界は存外悪いものでなく,生と死は橋ひとつ隔てた意外と近しいものかもしれない,という気になります。
日本でも伝統的に「此岸」と「彼岸」,つまり三途の川を挟んで「こちら側」と「向こう側」という言い方をしますね。
【リメンバー・ミー まとめ】
日本にはお盆やお彼岸など,先祖を供養する習慣があります。
尊敬する上司が
「墓参りはいいぞ。ひとり静かな場所で,先祖や亡くなった先輩,友人に良いこと,悪いことを報告し,悩みごとを相談すると,心がすーっと落ち着くぞ」
と語っていたことがあります。
しばらくお墓参りから足が遠のいていました。
私たちを忘れるんじゃないよ。
ご先祖様に叱られそうですね(笑)
ご無沙汰している方,久しぶりにお墓参りをしませんか?^^
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