【パワハラによる人事異動は不幸?】8ヵ月で異動させられた上司の話
以前,私の上司Aさんは,わずか8ヶ月で他部署へ異動となりました。
異動理由は,Aさんの上司Bさんに気に入られなかったため,と推察されます。
【目次】
【結論】
組織で働くサラリーパーソンにとって異動はつきもの。
時に,意に沿わない理不尽な異動もありますが,必ずしも不幸ではないと思います。
【叱責の日々】
はじめはふつうでしたが,BさんのAさんに対する叱責は,日に日にエスカレート。
「申し訳ありませんが,なぜ,こんなことになるのですか?」
「申し訳ありませんが,これまでどういう仕事の仕方をしてきたのですか?」
「申し訳ありませんが,どうしてこんなにバカでマヌケでトンマなんですか!」
大声で怒鳴るわけでなく,「申し訳ありませんが」とクッション言葉はつきますが,内容は痛烈な叱責。
ときに人格攻撃に及び,いわゆる「パワハラ」でした。
【気にくわないから?】
部下である私から見れば,Aさんは極めてふつうでまともな人でした。
Bさんが叱責するのは,Bさんの要求水準に達していなかったため?
しかし,はたで聞いている限り,Bさんの叱責理由はよくわからず,どうすればいいか明確な指示もありません。
理屈の問題ではなく,「単純に気にくわないから,否定しているだけではないのか?」と感じました。
【耐えに耐える】
他の人がBさんに上げれば通る話も,Aさんが上げると通りません。
仕事が進まなくて困ったAさんは,「直接Bさんに話をあげてくれないか?」と私に頼んできました。
本来,仕事の流れは「私→Aさん→Bさん」の順ですが,事情がよくわかっていたので了解しました。
その方法で何回かはうまくいったのですが,すぐにBさんは「おかしい」と気づきました。
「Aさん,これはあなたが私にすべき話ではないですか?部下に代わりをさせるとは,どういうつもりですか?」
結局,以前の流れに戻り,Aさんは次第に元気がなくなっていきましたが,なんとか耐えに耐えて仕事を続けていました。
【突然の異動】
4月,Aさんは異動となりました。
よほどのことがない限り,1年未満の異動は通常ありません。
「Bさんに飛ばされた!」とAさんもショックだったでしょう。
もちろん,周りも衝撃を受けました。
しかし,後任者のCさんはBさんの眼鏡にかなったようで,「Cさんは,バカでマヌケでトンマな前任者と違って優秀ですね!」とウソみたいに評価するのです。
私から見ると,そんな大きな差は感じなかったので,「ここまで対応が違う!?」と目を白黒させました。
【異動は不幸か?】
パワハラ上司に嫌われたため短期間で異動するなど,一見,不幸の極みと思えるかもしれません。
しかし私は,「Aさんにとっても,Bさんにとっても,異動はよかったのではないか?」「むしろ,英断だったのではないか?」とすら思います。
Aさんの立場で考えると,Bさんのパワハラが解消されることがベスト。
しかし,組織で働くサラリーパーソンが上司と戦うには,相当な「覚悟」と「準備」が必要です。
先の見えない地獄のような状況が続く場合は、上司との「闘争」もやむをえませんが,「異動」により「逃走」することも立派な問題解決方法のひとつです。
一方,Bさんの立場で考えると,Aさんの存在はどうにもストレス。
どれだけ叱責注意しても,自分の意に沿う仕事をしてくれず,遅々として仕事が進まない。
しかし,最後に責任を取らないといけないのは,責任者であるBさん。
Bさんは,「なぜ,私が謝らなければならないのですか?あなたの進め方が悪くて遅れたのだから,あなたが謝ってきなさい!」と言うのも,Aさんの理不尽な指導やパワハラを差し引けば,理解できなくはありません(苦笑)
Aさんを怒っても指導しても効果がない場合,Bさんにとっても「Aさんの異動」は有効な問題解決方法となるのです。
【まとめ】
「1年も経たずに異動させるなんて,仕事ができない烙印を押すようでひどい!」「キャリアに傷がつく!」とも思いますが,お互いストレスを抱えたまま長い年月を過ごし,心身に深刻なダメージを受けるより,ずっとマシではないでしょうか?
実際,上司が部下をネチネチ指導するものの改善が見られず,ついには部下がメンタルを病んでしまった職場にいたことがあります。
上司と部下,「どちらが正しい?」の問題ではなく,「どうにもあわない!」ことはままあるもの。
その場合,異動により物理的な距離を置くのは,有効な方法ではないでしょうか?
たとえ,パワハラで飛ばされる身であったとしても,苦しい思いを無理に我慢しなくてよいのは運命が好転する兆し。
自分を活かせる,輝かせることができる仕事は,他にいくらでもあるはずです(^^)
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