自分とよく似た人が世界に3人いるというけれど
母と話していて,曽祖父つまり私の「ひいじいちゃん」の,おもしろい話を聞きました。
「小説みたいだけど,現実にそんなことってあるんだ!」というエピソードです。
【目次】
【自分と似ている人と出会う】
曽祖父の娘,つまり私の祖母は,ある日,祖母自身とよく似ている人と会いました。
あまりにも似ているので,祖母は勇気を振り絞って話しかけました。
祖母「突然すいません。失礼ながら,あなたは私と大変似ているようにお見受けしました。私は父とよく似ているのですが,あなたのお父様はどちらの方でしょうか?」
女性「あら,たしかにそっくりですわね。私の父はクラゾウといいますが……」
祖母「えっ!私の父もクラゾウといいます!」
女性「ああ,◯◯にお住いの◯◯さん(祖母の名前)ですね。クラゾウから話は聞いていました」
祖母はビックリ仰天。
父にまさかの隠し子発覚!
しかも,向こうはこちらの存在を知っていた!
【母の話】
この話を,母は大人になってから祖母から聞かされたそうです。
母の記憶では,曽祖父は脳梗塞を患って以来,体がすっかり不自由になり,孫である母に肩を貸してもらってなんとか歩くような「おとなしい,気のいいおじいちゃん」のイメージだったそうです。
そんな気のいいおじいちゃんに,まさか隠し子がいたとは。
ちなみに,曽祖父はイケメンではなかったようで,母は「あんな顔で,よくもまあ!」と話していました(笑)
【三木武吉の武勇伝】
この話を聞いて,戦後,自由民主党結成による保守合同を成し遂げた政治家・三木武吉(みき ぶきち)のエピソードを思い出しました。
三木は,選挙中の立会演説会で対立候補の福家俊一から,
「戦後男女同権となったものの,ある有力候補のごときは妾を4人も持っている。かかる不徳義漢が国政に関係する資格があるか」
と批判されました。
それに対して,演壇に立った三木は次のように答えます。
「私の前に立ったフケ(=福家)ば飛ぶような候補者がある有力候補と申したのは、不肖この三木武吉であります。
なるべくなら、皆さんの貴重なる一票は、先の無力候補に投ぜられるより、有力候補たる私に…と、三木は考えます。
なお、正確を期さねばならんので、さきの無力候補の数字的間違いを、ここで訂正しておきます。
私には、妾が4人あると申されたが、事実は5人であります。
5を4と数えるごとき、小学校一年生といえども、恥とすべきであります。1つ数え損なったとみえます。
ただし、5人の女性たちは、今日ではいずれも老来廃馬と相成り、役には立ちませぬ。
が、これを捨て去るごとき不人情は、三木武吉にはできませんから、みな今日も養っております」
(ウィキペディアより引用)
三木は,愛人の存在をあっさり認め,聴衆の爆笑と拍手を呼んだそうです。
【まとめ】
隠し子や愛人がよい,と言うつもりはありません。
法律上,正式な家族として存在が認められないことによる苦労は,はかり知れません。
また,三木の「いずれも老来廃馬と相成り、役には立ちませぬ」という表現など,「おいおい,長年のパートナーにその言い草はないでしょ?」「現代なら女性蔑視で抹殺されるよ?」と思います(笑)
ただ,昔の日本には,現代では考えられないような「おおらかな時代の雰囲気」があったのだなと。
世界を見渡すと,フランスの年間出生数の半数以上が婚外子であるとか,イランやサウジアラビアなどのように一夫多妻性が認められている国,一妻多夫や多夫多妻の地域もあるそうです。
LGBTなど,国家や社会の都合ではなく,個人の幸福がより尊重されるべきという風潮が強まっている昨今,パートナーとの関わり方や家族の形態も多様になる可能性があるのではないでしょうか。
しかし,曽祖父がどんな「顔」をしていたのか,祖母とよく似た女性およびその子孫が今どうなっているのか,とっても気になるところです(笑)
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