ミステリアス・ピカソ〜天才の秘密〜創作の瞬間を記録した貴重なドキュメンタリー!
ミステリアス・ピカソ〜天才の秘密〜!
いわずと知れた,20世紀を代表する天才画家です。
「ミステリアス・ピカソ〜天才の秘密〜」は,ピカソの創作の瞬間を記録したきわめて貴重なドキュメンタリー映画。
いったい,どのような内容なのか?
どのような評価を受けているのか?
私たちも見るべき映画なのか?
などの情報や率直な感想をお伝えします!
【目次】
【ミステリアス・ピカソ〜内容と評価〜】
1956年第9回カンヌ国際映画祭で,「審査員特別賞」を受賞。
1984年には,「フランス国宝」に指定されています。
その内容は,ピカソが黙々と絵を描く様子をリアルタイム〜早送りで紹介するだけ。
作品に関する解説や補足は,一切ありません!
【ミステリアス・ピカソ〜率直な感想〜】
映画「ミステリアス・ピカソ」は,ある意味で「言語に対する非言語の挑戦」。
絵画という非言語の芸術を,言語が説明することができるのでしょうか?
ブルース・リーのいうとおり,絵画は「Don't think , Feel亅の領域。
絵を言葉で表現しようという行為は,陳腐で浅はかなのか?と考えさせられます。
また,絵の素人である私がもっとも驚いたのは,ピカソの「絵に対する姿勢」。
撮影者はじめ,他人の目線を気にする気負いやてらいが,まったく感じられません。
こんなもの創作活動の邪魔だ!とばかりに上着を脱ぎ捨て,いわゆるゾーン状態,フロー状態に入り,ひたすらに情熱的で,挑戦的で,発展的。
当時、ピカソ74歳。
<映画「ミステリアス・ピカソ」より>
【ミステリアス・ピカソ〜創作プロセス〜】
実際,ピカソはどのようなプロセスで作品を生み出しているのでしょうか?
たとえば,ある作品は,たった3本のシンプルなラインから描き始めます。
どのような完成図になるか予想できますか?
【スタート】
<映画「ミステリアス・ピカソ」より>
【完成図】
<映画「ミステリアス・ピカソ」より>
「えっ!」「こんな完成図になるの!?」と驚かれたのではないでしょうか?
おそらく,描き出しの時点で,ピカソにも完成図のイメージはありません。
1本1本,線を描き加えていく中で新たなイメージが湧き,それまで描いた部分と整合性を図り,あるいは否定し,流れ続ける。
ピカソ自身にも,どこでその流れは終わりを迎えるのかわからず,時に数分で止まり,時に数時間も流れ,あるいはそれを叩き台として,新たに描き始める。
一連の創作活動は決して静的でなく動的で,ひとつの目的に向かって突き進むのではなく絶えず試行錯誤を繰り返しており,それは人生と共通するかもしれません。
【ミステリアス・ピカソ〜まとめ〜】 
<映画「ミステリアス・ピカソ」より>
ピカソの根底に流れていると感じるのは,絵画に対する尽きることのない情熱。
絵が好きで好きでたまらない!絵を描くこと自体が楽しくてしかたない!
ゆえに、天才は多作なのでしょう。
生涯に1万3500点の油絵と素描,10万点の版画,3万4000点の挿絵,300点の彫刻と陶器を制作し,もっとも多作な美術家であるとギネスブックに記録されています。
あくまで単純計算ですが,これらの作品約15万点を約70年間で割ったら,1日6点。
1年365日休まず,70年間,毎日6点の作品を創り続けると考えると,圧倒的です!
<映画「ミステリアス・ピカソ」より>
「ミステリアス・ピカソ」本編80分。
そこに,刹那を見るか,永遠を見るか?
天才の秘密を,天才の脳内をのぞいてみたい方は,ぜひ!