民間と公務員どっちがいい?【メリット・デメリットを転職経験者が語る】

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民間と公務員どっちがいい?【メリット・デメリットを転職経験者が語る】

民間と公務員,どっちがいい?

そのよう悩みを抱えている大学生や社会人は,けっこう多いのではないでしょうか?

 

私は,民間企業(新聞社),地方自治体(政令指定都市),中央省庁(○○省)で働いた経験があります。

 

手間みそで大変恐縮ですが,これら3つの異なる業界で働いた経験のある人は,数10万人〜100万人に1人の希少性があると思われます。

 

そこで,民間から公務員に転職した私自身の具体的な体験に基づき,民間と公務員どっちがいいか、メリット,デメリットを紹介します!

【目次】

1,民間と公務員どっちがいい?〜給与,身分の安定性の違い〜

(1)民間の場合

私が勤めていた民間企業(新聞社)は,マスコミ業界なのに給与は少なく(涙),どれだけ残業しようと,残業代は定額の数万円で,毎月の手取り額は17万円ほどでした。

 

夏冬のボーナスは,ゼロ〜数万円程度で,–30%から+30%の業績評価が反映されましたが,+25%の評価を得ても10万円程度と,相当に厳しい状況でした(涙)

 

また,ある時,「課長以上の役職者が全員降格になる」という珍事件がありました。

 

ある日突然,オーナーが業績不振のためブチ切れし,部長が次長に,次長が課長に降格処分となり,それに伴って給与も減額されました。(幸い,平社員は無事)

 

ボーナスしかり,役職しかり,良くも悪くも,民間は業績と連動した給与や役職の変動が伴うことが特徴です。

 

景気が良ければ,給与も上がりますが,景気が悪ければ,減給,降格,リストラ,最終的には倒産の可能性もあります。

(2)公務員の場合

公務員には,民間の平均的な給与額が支給されます。(ただし,国家公務員は地方公務員より高い)

 

公務員は,大企業には及びませんが,中小企業よりはずっとマシ。

基本的に,残業代もしっかり支給されます。

 

扶養手当や地域手当など各種手当等により個人差がありますが,あくまでざっくりした目安ですが,地方公務員(政令指定都市)の毎月手取り額は「年齢マイナス10万円」。

 

具体的にいうと,30歳なら20万円,40歳なら30万円くらいで,残業代はこれに上乗せされます。

 

たとえば、時給2,000円の職員が10時間の残業をすれば2万円,50時間の残業をすれば10万円が上乗せ支給されます。

 

ちなみに,地方公共団体政令指定都市)のトップである局長級は,年収1,000万円くらい。

同じ公務員でも,国家公務員のトップである事務次官は,年収2,300万円くらい。

裁判官のトップクラスは,年収3,000万円くらいだそうです。

 

公務員は,基本的に不祥事を起こしたり無断欠勤がなければ,年功序列で給与は上昇。

昇任試験に合格すれば,ステップアップ。リストラはありません。

 

ただし,余人を持って代えがたい圧倒的業績を出しても,給与も肩書きも変わりなし。

順番を飛び超えて,ショートカットで出世することはありません。

 

景気にあまり左右されず、不祥事を起こさない限り,一生懸命働いても普通に働いても,給与や身分にあまり大きな差はつかないのが,公務員の特徴です。

2,民間と公務員どっちがいい?〜売上意識,コスト意識の違い〜

(1)民間の場合

毎月,あるいは前年度同月と比較をして,売上に対する感覚は相当にシビアでした。

 

また,売上のみならず,利益や利益率も前年度を上回ることを目標としていたので,「いかに経費を削るか?」という考えが常にありました。

 

新規事業を始めるには,参加者からお金を徴収するか,スポンサーを見つけてこないと実施できないので,「どうお金を調達するか?」という問題意識は常に持っていました。

 

資金繰りが非常に厳しい会社だったので,経理担当課長に半分冗談,半分本気で「売掛金を回収できなければ,帰って来るな!」と言われたことがあります(笑)

(2)公務員の場合

売上や利益は,基本的に関係ありません。

 

行政は,利益追求がなじみにくい公共事業を担っているため,日常業務で売上や利益を意識することはほぼありません。

 

経費に関しても,たとえば,競争入札等を通じて事業費を安く抑える努力は行いますが,経費の増減が経営の浮沈に関わる民間企業の危機意識とは,まったくレベルが異なります。

 

また,新規事業を行う際は,前年度に予算要求を行うことが大前提となります。

 

営業してスポンサーを見つける努力は不要ですが、財務当局に予算要求して事業の必要性を認めてもらうことが必須なるため,秋から冬にかけて行う予算要求が一大イベントとなります。

3,民間と公務員どっちがいい?〜向き,不向き〜

民間と公務員どっちがいいか?

他にも違いはいろいろありますが、上記2点が大きいと個人的には感じています。

 

これらを踏まえて,「民間に向いているタイプ」「公務員に向いているタイプ」を紹介します!

 

「自分は他の人よりも抜きん出た結果を出せる!」「頑張って結果を出したら,それに見合った評価をしてほしい!」「多少のリスクはやむなし!」という考えの人は、民間タイプ。

 

「給与はそこそこで良い!」「リストラなどのリスクがない安定が一番!」「利益や業績を気にせず、公益に資する仕事をしたい!」という考えの人は、公務員タイプといえるでしょう。

4,民間と公務員どっちがいい?〜まとめ〜

民間から公務員に転職した当時,採用試験で面接等をされた方から,その後しばしば「民間と公務員どっちがいい?公務員になってよかった?」と聞かれます。

 

私は,「残業が多い職場を回されてこき使われ,手放しで満足とは言えませんが,全体的に前の会社よりはよかったかなあ」と率直に答えています。

 

経験上,給与が低すぎること,休みが少なすぎることは,社会人として致命的に厳しい。

 

給与が低く,休みも取れないと,経済的,時間的に厳しくて,家庭を持つこともなかなか考えられず,転職しようにも,その余裕が持てません。

 

私も,民間から公務員に転職する時は本当に必死でした。

 

民間を退職してから,半年間ほど集中的に勉強して公務員試験に合格しましたが,働きながらではきっと無理だったでしょう。

 

同期の中には,民間で働きながら勉強して公務員になった人もいますが,それはある程度の余裕があるか,よほど優秀な人でないと,厳しいと思います。

 

キャリアアップするためには,経済的,時間的スラック(余裕)が絶対に不可欠。

 

民間と公務員どっちがいいか,これから就職や転職を考えている方は,給与や休暇等の情報は,よくよく調べた方が良いでしょう。

 

企業が公開している初任給等の情報では,実態がなかなか見えてきません。

 

可能な限り,実際に民間企業や役所で働いている人に会って,ヒアリングするとよいと思います!

 

人生100年時代,ひとつの組織で定年まで勤めあげることはありえない時代です。

 

現在,安定している公務員の世界でも,業績評価に連動した人事評価を導入する流れ。

「分限処分」により,働きの悪い職員は実質的にリストラされる日も遠くないでしょう。

 

企業理念やその組織でどのような仕事ができるか?という観点ももちろん大切です。

 

それ以上に,長い社会人人生における転職や起業を見据えて,「経済的,時間的なスラック(余裕)をどれくらい持てるか?」という視点がより重要になってくると思います!

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