【民間と公務員の違い】経験者が語る中央省庁・霞が関というところ

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 【民間と公務員の違い】経験者が語る中央省庁・霞が関というところ

私は,民間企業(新聞社),地方自治体(政令指定都市),中央省庁(○○省)で働いた経験があります。

 

手間みそで大変恐縮ですが,これら3つの異なる業界で働いた経験のある人は,数10万人〜100万人に1人の希少性があると思われます。

(日本で100人はいるかもしれないけど,たぶん1,000人はいない!)

 

そこで,民間と公務員の違いについて,今回は中央省庁・霞が関という組織について,リアルな感想やおもしろネタを紹介します!

【目次】

【民間と公務員の違い〜官僚はよく働く〜】

霞が関の官僚の皆さんは,おしなべてよく働きます!

 

以前,私が働いていた新聞社もたいがい激務でしたが,中央省庁は忙しさの「質」が異なるというのでしょうか,ミドル〜ハイレベルの忙しさが切れ目なく押し寄せるイメージ。

 

国会待機とか,法案作成とか,緊急対応とか,基本的に残業をいといません。

 

「家庭の事情があるから!」とか「今日は用事があるから!」とか言って,残業せずに帰る職員はほとんど見たことがなく,早く帰るのは飲み会のときだけ(笑)

 

私自身も夜中の2時,3時まで働いた時期があり,「残業に対してグチや不満もなく,よく働くなあ!」と感心しました。

 

おそらく,「国を担う官僚になった以上,残業をいとうべきではない」という矜持,プライドがそうさせるのでしょうか?

 

官僚はたしかに,いわば日本の命運を担う仕事をしているので,泣き言を言っていられない事情はよく理解できます。

 

しかし,長期間にわたるハードワークのため,心身の健康を損ねてしまう人や家庭崩壊している人も,時には見かけました。

 

畏敬の念で見つつ,非常時はともかく平時の仕事量を何とか工夫できないものか?優秀な職員がつぶれてしまうのは国家的な損失ではないか?とも感じました。 

民間と公務員の違い官僚はスマート〜】

霞が関の官僚の皆さんは,東京大学はじめ有名大学の出身で,難関の国家公務員Ⅰ種試験を突破しているだけあり,スマートな人が多い!と感じました。

 

「スマート」というのは,たとえば,初めて聞くテーマでも問題の本質を鋭く捉え,上司への説明は簡潔明瞭で,関係者との交渉はそつがない,といった能力の高さ。

 

いわば,官僚は,どんな仕事でもまんべんなくできる「ジェネラリスト」。

 

これに対して民間の場合,営業とか経理とか一芸に秀でた「スペシャリスト」が多いのではないでしょうか?

 

霞が関の官僚は,トラブルや難所をたくみに避け,最短最速ルートで仕事をスイスイ進めていくイメージ。

 

とりわけ「段取り力」が高いと感じました。

 

例えば,法案を作成して国会に提出する場合,殺人的な準備が必要になります。

 

法案提出というゴールから逆算し,内閣法制局の審査に通るため膨大な資料を精査し,関係者に事前レクチャーするプロセスは,高度な段取り力なくして実現できません。

 

もっとも,このスマートさを悪用し,相手の外堀を埋めて徹底的に追い詰めるような官僚もいたので,「能力と人格は別物」ということも痛感しました(汗)

民間と公務員の違い〜官僚は自己肯定感が高い〜】

じつは,残業や能力の高さより,「官僚の自己肯定感の高さ」に一番驚嘆しました。

 

メンタルの強さ,とも言えるかもしれません。

 

叱責されようと,激怒されようと,罵倒されようと,とにかく「自分」「自己」「自信」が断固として揺るがない人が多いのです。

 

「自分が言われたら,ちょっと耐えられない!」と思う上司の罵倒叱責に対しても,その場ではしおらしくしてますが,後でニヤッとペロッと舌を出す(笑)

 

霞が関の官僚の自己肯定感の高さ,メンタルの安定感は抜群!

民間で,これほど多くの社員のメンタルがタフで安定している組織は稀でないでしょうか?

 

いったい,あの自己肯定感の強さは,どこから来るのでしょう?

学歴や官僚という職業に対する自信?

 

それらが根拠の人もいるでしょうが,生来のものというか,子供時代から培ってきた,いわば「育ちの良さ」のような揺るがない「自己肯定感の高さ」を感じました。

 

どれだけ能力が高くても,自己肯定感が低ければ過酷な環境では耐えられません。

自己肯定感が高いことは,非常に重要な資質と思います。

 

一方,自己肯定感が高すぎて(?),「正義は我にあり!」と信じて疑わず,相手を徹底的に攻撃するような人もいたので,諸刃の剣の面もあるようです(汗)

民間と公務員の違いエピソード①マスコミ騒動〜】

私が在籍した当時は,民主党が政権を取り,菅直人氏が財務大臣に就任。

財務省の玄関を出て地下鉄へ向かったところ,出口でマスコミが待ち構えていました。

 

そこで,「今回就任された菅財務大臣をどう思われますか?」とマイクを向けられました。

他庁舎から財務省を通ってきただけなのに,財務省職員と勘違いされたのです。

 

私は地方自治体から中央省庁への出向者であり,まして財務省職員ではないので,「関係ありません!」と答えました。

 

すると次の瞬間,照明を一斉に照らされ,「関係ないということは,財務省の官僚は菅大臣を認めないということですか!?」と,多くのマスコミが殺到。

 

私はあわてて逃げ出しました。

 

噂では,あの「関係ない!」発言が一部報道で流され,犯人探しが行われたとか……

ごめんなさい!(笑)

民間と公務員の違いエピソード②ホテルオークラ〜】

財務省の庁舎には,長時間労働に備えた仮眠部屋があります。

 

かつて財務省は大蔵省だったことから,仮眠部屋の通称は「ホテル大蔵」。

ホテルオークラ」と掛けた気の利いたネーミングです(笑)

 

「話のネタとして,一度ホテル大蔵を見てみたい!」と思った私は,昼休みに財務省へ。

そこは,二段ベッドが設置してあるだけの,とても質素で静かな仮眠部屋でした。

 

ただ,なんというか,連日連夜の激務で疲れ果てたサムライが,つかの間の休息を許される特別な空間といった「独特のオーラ」を感じました。

 

さすがの図々しい私も,「お疲れさまです……」とつぶやいて,部屋を後にしました。

民間と公務員の違い〜エピソード③黙ったら負け〜】

某業務で,総務省へ上司と行った際の出来事です。

 

総務省のキャリア官僚が,机の上に足を投げ出し,「理屈が通らない!筋が悪い!」「これ以上,何も言うな!黙れ!帰れ!」と早口でまくし立て,キレてきました。

 

私は驚き,絶句。

 

しかし上司は,「黙れと言われれば黙りますが,我々が言いたいことはつまりですね…」とまったくひるまず,猛然と説明を続けました。

 

後から聞いた話では,総務省はあえて激しくキレて見せて,それでも相手が反論してくるか,本気度を試すようなことがあるようです。

 

いわゆるハッタリ。

 

それにしても,見たところ30才前後の若手官僚が突然キレたのには驚いたし,「黙れ!」と言われてまったく黙らなかった上司の胆力には,さらに驚嘆しました。

 

霞が関の官僚,恐るべし!

 

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