【マンガ日本の古典(中公文庫)レビュー】教養が身につきおもしろい!けど……
マンガ日本の古典(中公文庫)レビュー
「マンガ日本の古典」(中公文庫)を読んだレビューです!
きっかけは新聞広告で,「東大最強のクイズ王 伊沢拓司 激オシ!」「楽しく読めて試験にも効く画期的全集です!」とあったため。
全32巻の内訳は,古事記,源氏物語,平家物語,徒然草,奥の細道など,まさに日本の代表的な古典の数々。
執筆陣も,石ノ森章太郎,水木しげる,里中満智子,さいとうたかを,横山光輝など漫画界を代表する豪華メンバーです。
5歳,9歳の子どもたちの良い勉強になるだろう!自分も読んでみたい!と思い,とりあえず8巻「今昔物語(上)」,32巻「怪談」を購入しました(1冊590円+税)。
ところがこれが,まいった,まいった!(笑)
【目次】
【マンガ日本の古典レビュー〜結論!オススメ!〜】
「マンガ日本の古典」(中公文庫)は,大人が教養としての日本の古典を楽しく学び直すのに,格好の教材です!
ただし,大学生,高校生以上は良いとして,中学生はギリギリ,小学生はアウト!なアダルトな内容が含まれます。
【マンガ日本の古典レビュー〜どんな話が掲載?〜】
たとえば,どんな話が載っているのでしょうか?
以下は,マンガ日本の古典・8巻「今昔物語(上)」の「かぶら男」のあらすじです。
男が旅の途中,どうしても「アレ」をしたくなった。
困った男は,村の畑に植えてあった「かぶ」でスッキリさせた。
その後,畑の収穫をしていた娘は,男の「もの」がついたかぶを見ると妙な気が起きて,残らず食べてしまった。
やがて娘は妊娠。
相手の心当たりはなく,両親も心配したが娘は男の子を産んだ。
数年後,男が再び村を通りかかった。
以前,かぶでスッキリした話を同行者に話していたところ,娘が聞きつけた。
娘は男を呼び,わが子に会わせると,なんと瓜ふたつ。
旅の男は,自分が父親に違いないと村に住みつき,家族仲良く暮らしたとさ。
この話を,5歳の息子に読み聞かせを始めてすぐ「ヤバい!」と気づき,「おっと!お風呂の時間だね!」と打ち切りました(笑)
<今昔物語(上)表紙:水木しげる先生の絵力に惹かれて買ってしまった(笑)>
【マンガ日本の古典レビュー〜ファミリーセーフ?〜】
「ファミリーセーフ」という言葉があります。
「子どもと一緒に家族で見て大丈夫」という意味で,アダルトや暴力的な内容はアウト。
たとえば,ゴールデンタイムのテレビは基本的に「ファミリーセーフ」。
Youtubeは,ときどき「ファミリーアウト」が自動で流れるので,注意が必要です。
【マンガ日本の古典レビュー〜ファミリーアウト!?〜】
「マンガ日本の古典」には,上記の話以外にも,旅する夫婦が賊に襲われて妻が乱暴される場面や,男女が逢瀬を楽しむシーンなど,小学生以下には刺激が強い内容が含まれます。
水木先生,かんにんしてください〜!(笑)
<今昔物語(上)「かぶら男」より:よほど欲求不満だったのでしょう(笑)>
【マンガ日本の古典レビュー〜ファミリーアウトは一部!〜】
おそらく,「平家物語」「太平記」などの軍記物,「徒然草」「奥の細道」なども大丈夫。
が,「源氏物語」「好色五人女」などは,「アウト!」のにおいがプンプンします!(笑)
日本の古典には,いわゆるエロ・グロ・ナンセンス的な過激な内容が含まれます。
昔は娯楽が少なかったので,刺激的な話こそが淘汰され,残ってきたのでしょうか?
【マンガ日本の古典レビュー〜まとめ〜】
「マンガ日本の古典」は,大人は「へえ!」「そういう話だったんだ!」と興味深く読め,教養が広がることは間違いありません!
しかし,「かぶら男」の話のように,男が「したく」なったとか,かぶで「なにか」したとか,「子どもに対する親の説明能力」を急激に超えてくる瞬間が訪れます(苦笑)
したがって,少なくても小学生以下の子どもには,親がさっと全体に目を通したうえで読ませた方がよいと思います!
【あわせて読みたい】
「マンガ日本の古典」同様,ぜひ子どもに勧めたい1冊!
そして,子どものみならず,大人が読んでも深い内容です!