【もっと世の中にやさしさを!】骨折で得たもの,失ったもの
こんにちは。
のら猫のように生きるサラリーパーソン,「のらりーパーソン」きくっちです。
あなたは骨を折ったことがありますか?
といっても「苦労する」意味の方ではなく(笑),物理的な「骨折」です。
私は,中学3年の冬に左鎖骨を骨折しました。
冬になると,寒さで傷跡がうずく……
なんてことはないですが,高校受験直前だったので,受験シーズンになると「あんなこともあったな」と思い出します。
【目次】
【骨折の原因】
昼休みに,体育館でバスケットボールをしていた時のことです。
パスを受け取り,くるりと振返ってドリブルを始めようとした時,パスカットしようと走ってきた友人が左肩に激しくぶつかりました。
友人はまったく悪気なく,勢いあまってぶつかった状況。
私の方も,振返った瞬間にぶつかられたので回避困難な状況であり,バスケやサッカーなど接触系スポーツではありがちなプレーだったと思います。
【骨折直後の症状】
転倒後,すぐ立ち上がったものの,顔からサーッと血の気が引く感じがして,周りの景色が色褪せてセピア色に見えました。
全身から冷や汗が噴き出してきました。
それでも,しばらくふつうにプレーしていましたが,間もなく昼休み終了。
「どうも,ふつうではない」と感じて,職員室へ行きました。
先生に状況を説明すると,
「顔,真っ青だぞ」「左鎖骨のあたりがなんか盛り上がってる」「左腕を動かしてみろ」。
そこではじめて,鎖骨が痛く,左腕が動かせないことに気づきました。
【病院での診断】
やがて母親が学校へ迎えに来て,病院へ。
診断のため服を脱ごうにも,鎖骨が痛くて腕が上がらず,服が脱げません。
見かねた母親は「服,切ってもいいです!」と言いましたが,
医者は「大丈夫,大丈夫!」と笑いとばし,
私が冷や汗ぶったらしながら痛がっているのに,無理やり脱がしました(恨)
レントゲンを撮ると,
「はい,キレイに折れていますね」「全治1ヶ月です」との診断。
高校受験2週間前の出来事でした。
【骨折後の心境と状況】
左腕を白い三角巾で吊り,いかにも「ケガ人」になってしまい,私はイヤでたまりませんでした。
「大丈夫?」「痛くない?」と憐れまれるのもイヤ。
「これ以上,痛い思いをしたくないだろ?」「言うこと聞けや!」と脅されるのもイヤ。
ちなみに,学校は荒れておらず,不良さんたちとは良好な関係を築いていたので,校内でいじめやカツアゲにあう心配はなかったのですが。
幸い,使えないのは左腕なので,2週間後の受験もまあ問題なし。
ただ,歩くとき,座るとき,立ち上がるときなど,体を動かすたび「ズキッ!」と鎖骨が痛むので,試験時間中,最後まで集中力が持つか心配でした。
【苦労したこと】
地味に苦労したのが,給食。
片手だと,給食のお盆が重く,バランスが悪く,持てないのです。
私の負担にならないよう,友人たちがさりげなく手伝ってくれたのは,とてもありがたかったです。
そして,もっとも難儀したのが,入浴。
食事やトイレは片手でなんとかなるのですが,左腕を固定した状態で右腕だけで体を洗うのは大変なため,父親に手伝ってもらいました。
ようやく下の毛も生えそろった,思春期の中3(笑)
反抗期は終わってましたが,父親にチンチンやおしりを洗ってもらうのが,えらく恥ずかしくもあり,ありがたくもありました。
【超回復を図る】
全治1ヶ月との診断でしたが,受験までの2週間で治そうと決意。
牛乳,ヨーグルト,魚,小魚などのカルシウムを摂りまくりました。
友人も「早く治そう!」とカルシウム系のお菓子をたくさんくれたので,すべて食べ切りました。
結果,2週間後にはほぼ痛みはなくなり,かるく動かすこともできるまで超回復しました。
【受験当日】
ただ,激しく動かすと,くっつきかけた骨が離れたり,おかしな具合にくっついたりする可能性があるとの話だったので,いちおう白い三角巾で吊って試験会場へ向かいました。
「三角巾のあいつ,ぶつかってケガを悪化させたら,ライバルを一人減らせる!」と,ワルい連中が攻撃してくるのではないかと妄想。
しかし,ゴルゴ13のように常に背後に注意を払い,眼光鋭く周りを警戒していたせいか,何事もありませんでした(笑)
仮想敵への対応で神経をすり減らしており,「なんだ,この問題!中学で習ってないぞ!」と手応えはスカスカでしたが,無事合格することができました。
【まとめ】
骨折で失ったもの。
ひとつは,あまりおとなしく過ごさなかったせいか,骨折した箇所が重なってくっつき,少々短くなりました。
もうひとつは,「虫歯や骨折したことがある人は,傷跡がうずくので宇宙へ行けない」との話があり(ホント?),宇宙へ行く権利を失ったかもしれません(笑)
骨折で得たもの。
ひとつは,弱者の視点です。
骨1本折るだけで,世の中こんなに不便になり,心細くなるものなのだ,と痛感しました。
もうひとつは,人のやさしさです。
元気なときは「誰の助けも借りず,ひとりでも生きていける!」と強がってみても,体が弱ったり,心が弱ったり,やっぱり人は一人では生きていけません。
不便になることで,他者のやさしさが身に沁みました。
私たちは,子どもの頃から,「依存するな!自立しろ!」「依存は悪徳,自立は美徳」と言われて育ってきました。
しかし,そこにあるのは「自己完結する社会」で,「他者へのやさしさ」が感じられません。
もっと「やさしさ」を発揮して,他者に依存し,自分も依存された方が,もっと,生きやすい世の中になるのではないでしょうか?