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のらりーパーソン〜きくっちの日記〜

【公務員,民間企業の経験者が語る】個人が仕事にあわせるか,個人が仕事をあわせるか

こんにちは。

のら猫のように生きるサラリーパーソン,「のらりーパーソン」きくっちです。

 

私は国家公務員,地方公務員,民間企業での勤務経験があります。

以前,地方公務員(市役所)の人事課との面談であった興味深い話を紹介します

【目次】

【結論】

個人が仕事にあわせるより,個人が仕事をあわせた方がいい

【君の考えはちがう】

異動の打診を受けた私は,「じつは現在の職場はどうも苦手であわなかった。異動して新しい仕事にチャレンジして,自分の適性を活かしたい。きっかけを与えていただき,感謝している」と,人事課のAさん(課長級)に答えました。

 

するとAさんは,「君の考えはちがう」

 

Aさんいわく,Aさんは人事畑の経験が長かったが,あるとき財政畑へ異動。

当初は慣れない仕事に四苦八苦したが,やがて習熟した。

 

われわれ公務員の仕事は,高度な専門職の仕事と異なる。

誰だって,努力すればそれなりにできるようになる。

どんな仕事にも苦手意識を持たず,積極果敢に取り組んでほしい。

 

そう言って,Aさんは励ましてくれました。

【人事課の考え方】

Aさんの話は一見正論で,その期待と信頼には率直に感謝しています。

しかしそこには,「人事課の考え方のエッセンス」が凝縮されています。

 

基本的に公務員の仕事は専門性が低く,難しくない

どんな仕事もそつなくこなせるオールラウンドな人材が理想

組織の維持運営が優先であり,個人は組織に適応すべき

 

この考え方は,ある意味でよく理解できます。

 

たとえるなら,人事課の仕事はパズルの空白を埋める作業。

「ここが空いているから,あちらから持ってこよう」「あちらが空いたから,そっちから持ってこよう」と,手持ちのピースをやりくりして埋めなければいけません。

 

ピースの数が多いほど,職員数が多いほど,やりくりは大変です。

職員ひとりひとりの適性や好き嫌いを聞いていてはキリがない!パズルが完成するわけがない!というのが本音でしょう。

 

当時は「はあ……」とモヤモヤしながら受け止めましたが,今なら「あなたの考えはちがうのではないでしょうか?」と思います(^^)

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【公務員の仕事は簡単ではない】

「①公務員の仕事は専門性が低く難しくない」といいますが,私に言わせれば「簡単ではない」。

 

たとえば私は,「障害者の訪問相談支援」「財政バランスシートの作成」「システムの設計」「中期事業計画の策定」「国際会議の誘致」など,多様な業務を行ってきました。

これらは,民間企業であれば,福祉事業者,会計事務所,システム設計会社,コンサルタント会社,会議運営会社など,まったく別業界の仕事です。

 

能力の高い人なら,ササッとこなせるのかもしれませんが,私はけっこう苦労しました。

ひととおり,与えられたミッションは果たしたつもりですが,「圧倒的に素晴らしい結果を出したか?」と聞かれると,胸を張って「はい!」とは言えません。

 

つまり,医師,弁護士,会計士のような専門性はなくても,公務員の仕事も「相応の専門性」が求められます。

「そつなくこなす」ことはできても,「高い付加価値を生み出す」ことは容易でありません。

本人の意欲,能力がマッチしない限り,高いパフォーマンスを発揮できるわけがありません。

【オールラウンドな人材は少数】

「②どんな仕事もそつなくこなせるオールラウンドな人材が理想」といっても,現実にそのような人材は少数です。

 

学生時代の勉強でも,すべての科目で「オール90点」を取れるような人材は少ない。

現実には,「英語は90点だけど数学は50点」「数学は90点だけど国語は40点」など,とかく人間の能力には「特長」「偏り」があります。

 

机上の勉強でも得意・不得意があるのに,現実の仕事で得意・不得意がないわけがありません。

さらにいうと,その分野の仕事の「能力」がそこそこあったとしても,本人がやりたくない=「好きではない」「意欲がわかない」場合もあります。

 

「公務員は幅広い科目の試験を突破してきたのだから,どんな仕事でもしっかり成果を出せるオールラウンドな能力があるはず!」というのは幻想です。

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【個人より組織優先】

「③組織の維持運営が優先であり,個人は組織に適応すべき」というのは,「組織ありき」「組織>個人」の考え方です。

 

組織が△の形の仕事を求めれば,個人は△の形に変形し,組織が◇の形の仕事を求めれば,個人は◇の形に変形すべき。

もとの個人の形が○であろうと,組織全体のパズルを完成させるためには,あまり関係ありません。

 

じつは,この考えは民間企業も同様です。

ただし,民間企業と公務員との最大のちがいは,民間企業はシビアに利益を追求し続けないとつぶれること。

 

したがって,民間企業は,営業畑の社員を経理畑に異動させたり,総務畑の社員を営業畑に異動させたり,ミスマッチによる生産性を低下させる事態は極力避けます。

と同時に,「利益を最大化させるにはどうすればいいか?」を考えて,その意欲・能力=適性を備えた人材を配置させます。

【まとめ】

最近は公務員組織でも,本人の希望を聞き,適性を活かす人材配置に取り組んでいます。

 

その結果,特定の部署を希望して異動できることもありますが,ずっといられるわけではありません。

役所の業務は,市民生活,福祉,環境,財政,経済,街づくり等々幅広いので,どこへ異動するかは本当にわかりません。

 

「志高く,利益追及を気にせず,幅広い業務を経験したい!」「どんな仕事でもバランスよくそこそこ適応できるだろう!」という人は,公務員に向いていると思います。

実際,多くの公務員は,ズバ抜けた90100点は難しくても,6080点くらいの仕事は着実に実行します。

 

一方で,「自分はこの分野での意欲・能力がある!」「このような仕事で活かしたい!」と業種や職種のイメージがある人は,オールラウンドが求められる公務員は避けた方がいいでしょう。

  

実際に働いてみないと,わからないことは多いもの。

公務員への就職,転職を考えている人は,できる限り「実際に働いている職員の話」を聴くことをオススメします(^^)

 

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