伊達家ゆかりの寺を巡って
輪王寺,資福寺,覚範寺,青葉神社,東昌寺,光明寺の6ヶ所です。
【目次】
【1 輪王寺】
輪王寺は1441年,伊達家11世の伊達持宗が福島に創建した寺。
伊達氏が勢力を拡張しながら居城を移すのに従って移転を繰り返し,1602年に現在の北山に落ち着きました。
<輪王寺本堂:重厚感のある瓦には伊達家の家紋が見られます>
<かわいらしいお地蔵さん三兄弟>
【2 資福寺】
1572年,伊達政宗の父・輝宗が名僧・虎哉禅師を招いて中興開山した寺。
政宗は,虎哉禅師の教えを受けて育ったので,ここで幼き日々を過ごしたのかも?
<境内案内図:小僧さんの絵が愛らしい>
<資福寺本堂:圧倒的な存在感,重厚感を感じます>
【3 覚範寺】
覚範寺は,政宗が非業の死を遂げた父・輝宗を弔うため1586年に米沢に創建。
輝宗は敵の策略で拉致され,政宗は人質にされた父を犠牲にして敵を討ち取ったといわれます。
ここには,政宗の母・義姫(保春院)の墓もあります。
義姫も波乱の人生で,政宗最大の危機といわれる小田原参陣の時,義姫は政宗の毒殺を図ったとされます。
その後,義姫は実家の山形へ移り,晩年に政宗に呼び戻されてほどなく亡くなったそうです。
<覚範寺本堂:現代建築風のこざっぱりとした印象>
<政宗の母・義姫の墓:あれ,意外に小さい……>
【4 青葉神社】
伊達政宗を祭神として,1874年に創建。
現在の宮司は,政宗の片腕だった片倉小十郎の末裔(16代目)だそうです。
<青葉神社拝殿:豊かな鎮守の森に囲まれています>
<独眼竜と竜:ありそうでなかった組み合わせ!イイね!>
【5 東昌寺】
1238年に創建,700年以上の歴史を持つ伊達家最初の菩提寺。
推定樹齢500年,国指定天然記念物であるマルミガヤの大木が圧巻。
政宗が仙台城の鬼門(北東)除けに植えたとの逸話が伝わり,5.2メートルの幹周は日本一だそうです。
<東昌寺本堂:簡素で端正なたたずまい>
<マルミガヤ:幹が南北にまっぷたつ!>
【6 光明寺】
伊達五山のひとつとして1283年に創建。
ここには,支倉常長のものと伝わる墓があります。
常長は,政宗の命によりヨーロッパまで航海し,ローマ教皇とスペイン国王に謁見した人物。
ただ,幕府が鎖国令と禁教令を敷いたため,晩年は失意のうちに亡くなったといわれます。
じつは,常長の墓と伝わるものは宮城県内に3ヶ所ありますが,私は「ここが本物では?」と感じました。
理由その1:すぐとなりに,常長と血の繋がる現在の支倉家の墓がある
理由その2:すぐとなりに,常長と航海の苦労をともにした宣教師ルイス・ソテロの供養墓がある
理由その3:すぐ近くに,日本初の国語辞典を作った大槻文彦氏が「これぞ常長の墓である!わしが保証する!」と記した石碑がある
【まとめ】
北山の寺々は,いずれも歩いて回れるほど近い距離にあります。
私のようにポイントだけをパッパッと見て回るタイプの人には,正直,1ヶ所では物足りないかもしれません。
しかし,まとめて見て回ると半日ほどかかり,けっこうお腹いっぱいになります(笑)
歴史好き,政宗好きの人にはオススメのスポットです(^^)
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