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下重暁子「極上の孤独」感想〜孤独とは?孤独は悪なのか?〜

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今回紹介する本は「極上の孤独」。

ともすれば,「孤独」は忌み嫌われるもの。

「極上の孤独」とはどういうことでしょうか?

【目次】

【極上の孤独①孤独とは?】

そもそも,孤独とはなんでしょうか?

「孤立」と「孤独」は,似ているようで異なります。

「孤立」は客観的な状況で,「孤独」は主観的な思いといえるでしょう。

 

したがって,客観的には周りにたくさん人がいて「孤立」していないのに,本人は「孤独」を感じていることは,けっこうあります。

芸能人,有名人にこのパターンは多そうです。

 

反対に,客観的には周りにあまり人がおらず「孤立」してそうなのに,本人は「孤独」を感じていない,ということもありそうです。

【極上の孤独②孤独は悪なのか?】

孤独は悪なのでしょうか?

私は「孤立」は望ましくないけれども,「孤独」は悪ではないと思います。

 

人間は社会的生物であり,全く「孤立」した状態で生きていくことは非常に困難です。

人里から隔絶した山奥の「孤立」した環境で,ひとり自給自足の生活を送ることは可能かもしれませんが,やはり家族や仲間とともに暮らす生活の方が,幸福度は高いのではないでしょうか。

 

一方,「孤独」は絶対悪ではなく必要悪,いや,必要善ではないでしょうか。

人間はひとりで生まれてきて,ひとりで死ぬ,基本的に「孤独」な存在です。

孤独は良くない,孤独は避けなければならないとすれば,つねに他者と一緒に過ごし,他者の言動に同調しなければいけません。

 

それは幸せなことでしょうか?

自分を抑え,他者の意見に合わせるだけの人生が幸福といえるでしょうか?

 

時には,ひとり静かに自身と向かい合い,心の声に耳を澄ませ,心の赴くままに行動する。

そのようにして孤独と上手につきあうことで,自らの人生の方向性や輪郭が明らかになり,他者と過ごす時間の濃度も増すのではないでしょうか。

 

たとえるなら,孤独はしばしば帰るべき「家」。

「家」で自身と向き合う時間の密度が濃いほど,外で他者との時間も有意義なものとなり,人生の満足度,幸福度が高まると思います。

極上の孤独③人生でもっとも孤独を感じた瞬間】

もともと私は孤独への耐性が強く,「孤独だな」「寂しいな」と感じたことがほとんどありません(苦笑)

ひとりでご飯を食べても,風呂に入っても,布団に入っても,孤独と感じることはほとんどありません。

 

そんな私が,もっとも孤独を感じた瞬間。

それは,東京・渋谷の人混みを歩いていた時のことです。

 

今,この場所において,誰とも繋がっていない。

何百人,何千人もの人がいるのに,見向きもされず,顧みられることもない。

自分は何者でもなく,ちりあくたに等しい存在。

この瞬間,隕石が当たって死んでも,誰も気づかず,誰ひとり悲しまないのではないか?

 

それはほとんど恐怖に近い感情で,正確には孤独とはまた異なるものかもしれません。

「存在の不確かさ」とでも呼べばいいのでしょうか。

 

自分など,いてもいなくてもよい。

自分を必要とする人などいない。

自分が存在する意味などないのではないか?

 

「孤独は山にはなく,街にある」と哲学者・三木清は言いました。

孤独を恐れたことのない私が,まさに「孤独はひとりの時ではなく,他者の中にいる時こそ感じる」と痛感した瞬間でした。 

極上の孤独④作者の至言】

作者は透徹した孤独観を持っており,以下の文が印象に残りました。

・淋しいとは一時の感情であり,孤独とはそれを突き抜けた,一人で生きていく覚悟である。淋しさは何も生み出さないが,孤独は自分を厳しく見つめることである。

 

・孤独とは,思い切り自由なものだ。誰も気にする必要はなく,自由で満足感はあるものの,その時間をどう過ごすかの全責任は自分にある。誰も助けてくれる人はいない。

 

・定年になってからこそ,その人の本領が試される。誰かが縛ってくれている時ではなく,誰にも縛られることがなくなってからこそが,力の見せ所なのだ。

 

・一見,孤独と品とは関係なさそうに思えるが,品とは内から光り輝くものだと考えれば,輝く自分の存在がなければならない。自分を作るためには,孤独の時間を持ち,他人に煩わされない価値観を少しずつ積み上げていく以外に方法はないのだ。

 

・決めるのは自分ひとりで。人の一生を左右する責任は、自分がとる。トップはその孤独と重圧に耐えねばならないのだ。

【極上の孤独⑤まとめ】

もともと孤独耐性が強い私は,「うん!そのとおり!」と著者の主張をすんなり受け入れられましたが,多くの人にとっては新鮮で,衝撃の内容かもしれません。

 

そんな人でも読み進めるにつれて,「なるほど……」「そういうことか!」「そうなのかもしれない……」と納得のいく点が多いのではないかと思います。

 

「孤独なんて苦手!」「孤独の何が良いの?」「孤独な時間をどう過ごしたらいいかわからない!」という人こそ,手に取ってほしい1冊です!

 

極上の孤独 (幻冬舎新書)

極上の孤独 (幻冬舎新書)

 

 

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