【結論】人間の寿命は健康的な食事で決まる
こんにちは。
ウェルビーイング・クエスター(心と体の幸せ探求者)きくっちです!
さて,藪から棒ですが,人間の寿命は何で決まるのでしょうか?
「寿命は,個人の持って生まれた体質や習慣によるところが大きい」と思っていませんか?
たしかに,ヘビースモーカーで,大酒飲みで,ショートスリーパーで,運動嫌いでも,長寿を全うする人はいます。
本書のポイントは,「個人の寿命」ではなく「集団の寿命」に着目した点です。
たとえば,100歳まで長生きしているおばあちゃんが,「とっておきの健康法」を教えてくれたとしても,それが万人に有効かわかりません。
下手をすると,本人には有効でも,多くの人には有害である可能性すら考えられます。
しかし,統計的有意に,ある集団の寿命が長い,あるいは短い場合には,個人の体質や習慣を超えた「寿命を左右する共通の何か」が存在するはずです。
それを探求したのが本書です。
本書は,東北大学名誉教授・医学博士である近藤正二氏が,36年間,北海道から沖縄まで日本全国の990町村を自ら歩いて調査した結果をまとめたもの。
「長寿村と短命村の違いは何か?」を分析し,十数版を重ねてきたロングセラーです。
「集団の寿命」について,日本全国を実地調査した人物は他にいないのではないでしょうか?
【この本を読んでほしい人】
人間の寿命が何で決まるか興味がある人
【本書のポイント】
「長寿村に共通する特徴」として,以下が紹介されています。
「ああ,やっぱり!」というものが多いかもしれません。
・大豆製品をよく食べる
・白米はあまり食べない
・野菜をよく食べる
・野菜の中でも,ニンジン,カボチャ,イモ類をよく食べる
・果物は野菜のかわりをしない
・海藻をよく食べる
・大魚の切り身より小魚を丸ごと食べる
・肉はあまり食べない
・お菓子など甘いものはあまり食べない
【市区町村別に見た平均寿命】
「食習慣が寿命の決め手である」ことは理解できました。
ところで,「実際に寿命が長い地域」を知っていますか?
私は知りませんでしたf^_^;
そこで、最新の「市区町村別に見た平均寿命」を見てみましょう(厚生労働省「平成27年市区町村別生命表」より抜粋)。
なお,「平均寿命」とは「0歳児の平均余命」のことです。
<平均寿命 上位5市区町村>
①男性
3位 東京都世田谷区 82.8
②女性
<平均寿命 下位5市区町村>
①男性
4位 青森県むつ市,青森県北津軽郡中泊町,青森県上北郡東北町,青森県三戸郡階上町,青森県西津軽郡深浦町,青森県平川市 78.1
②女性
2位 北海道稚内市 85.1
5位 岩手県釜石市,福島県双葉郡広野町,大阪府大阪市浪速区 85.3
ちょっと,意外な結果ではないでしょうか?
女性の平均寿命トップ3が沖縄は納得として,男性のトップ3がなんと横浜,川崎,東京!
そして,男女ともに平均寿命が短い地域は大阪,青森が目立ちます。
この事実から推測されるのは,「経済的豊かさ」「健康に対する意識」「食習慣」「気候等の地域特性」が連鎖的に作用して寿命が決まるのではないか,ということです。
誤解を恐れずに単純化すると,以下の図式になります。
・「年収が高い」→「健康管理に気をつける」→「食べ物に気をつける」→「平均寿命が長くなる」
・「年収が低い」→「健康管理に気をつける余裕がない」→「食べ物に気をつけない」→「平均寿命が短くなる」
しかし,この図式だと,男性の説明は概ねできますが,沖縄女性の平均寿命が長い理由など説明できません。
温暖な気候,生活習慣,食習慣などの「地域特性」が影響していると思われます。
【まとめ】
地域特性等よくわからない要素はありますが,食習慣が寿命に大きな影響を与えることは間違いなさそうです。
なかなか実践は難しいですが、「白米、肉、甘いものは控えめに亅 「緑黄色野菜、海藻、大豆を多めに亅を少しずつ取り入れていきましょう!
【参考】
健康情報満載の「腸内フローラ」についての記事はこちら!