残業について①
私は残業が嫌いです。
仕事が嫌いなわけではなく,仕事以外の趣味の時間や,家族との時間を大切にしたいからです。
では,残業が好きな人などいるのでしょうか?
私はいると思います。
それは「仕事が好きな人」です。
正確に言うと「好きなことを仕事にしている人」で,サラリーパーソンには少なく,起業家などに多いでしょう。
皆さんも,三度の飯より,ゲーム,漫画,スポーツに夢中になった経験はありませんか?
好きなことを仕事にしている人は,あの没頭する感覚で仕事に打ち込むので,「残業する」感覚すらないのでは,と思います。
しかし,多くのサラリーパーソンは,いやいや残業していることでしょう。
では,「なぜ,サラリーパーソンがいやいやながらも残業するのか?」を考えると,主に3つの理由が考えられます。
①周りがみんな残っていて帰りづらいから
②残業代を稼ぎたいから
③仕事が終わらないから
「①周りがみんな残っていて帰りづらいから」は,「空気など読まず,勇気を出して,さっさと帰ろう!」と言うのは簡単ですが,現実にはそう簡単でありません。
自分だけ帰るということは,周りとの不協和音を生じたり,「あいつはヒマそうだから」と仕事が増えたりするリスクがあります。
私はけっこう空気を読む方なので,帰りづらい雰囲気の重苦しさは,よくわかります。
それでも,あえて言いましょう。
「帰りづらい」という雰囲気に流されて残業するのは,人生のムダづかいです。
1日1~2時間程度の残業でも,毎日積み重なれば月20~40時間。1年間では240~480時間。5年間で1,200~2,400時間,日数換算で丸50~100日に上ります。
それだけの時間を自分のしたいこと,楽しいことに投入すれば,どれだけの満足感,幸福感を得られることでしょう。
人生は有限です。
人生100年時代とはいえ,モリモリ食べ,学び,働き,遊べるのは,60~70歳くらいまでではないでしょうか。
もっと有意義に楽しく使えたはずの貴重な時間を,なんとなくの雰囲気に流されて浪費してよいのでしょうか。
子どもがいる人であれば,子供と接する時間をおろそかにしている間に,あっという間に小学生,中学生と大きくなって,相手にされなくなります。
パートナーと食事したり,会話したりして過ごす時間も大切です。
すれ違いの日々を積み重ねて,20年後,30年後にも一緒にいられる保証はありません。
雰囲気に流されて得られるものは,少しばかりの残業代くらい。
お金は後から稼ぐことも可能ですが,人生の貴重な時間は二度と戻ってきません。
死の床で,ほとんど人が後悔することの一つが,「働きすぎた」「もっと家族との時間を大切にすればよかった」だそうです。
亡くなる時,あなたは「働きすぎた」「もっと家族との時間を大切にすればよかった」と後悔しない自信はありますか?
<続く>