クエスト タイムズ

〜「魂の微熱」を求めて〜

映画「マチネの終わりに」(福山雅治,石田ゆり子主演)感想

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映画「マチネの終わりに」を観ました。

すきだきらいだ、ほれたはれたの恋愛映画は基本的にあまり興味がありませんが(笑)、ちょうど原作の平野啓一郎さんの「マチネの終わりに」を読み終わったタイミングだったので、観に行きました。 

マチネの終わりに (文春文庫)

マチネの終わりに (文春文庫)

 

誰しもとはいわないけれど、いつか,どこかで,似たような経験を持つ大人の淡くほろ苦い記憶を呼び起こす恋愛映画。

 

何年間も付き合ってきた人の方が3回しか会っていない人より、お互いの魂をより深く理解しあっていると言い切れるか?

 

過去が未来をつくる?

未来が過去の意味をつくる?

 

じつは、個人的に最も深く印象に残ったのは、主人公のマネジャーを務める三谷早苗という女性。

三谷は、福山雅治さん演じるギタリストのため、「自分は生涯,彼の人生の脇役でいい!」と言い切ります。

 

誰かの人生の脇役でよい!など私は考えたこともありません(笑)

 

しいてあげるなら、子供のためにはできる限りのことはなんでもやってあげたいと思います。

が、第三者のため、すべてを捧げて人生の脇役でよい!とまで思い詰める彼女の思いは、あまりに至純で切ないものがあります。

 

帰宅して、福山雅治さんの「Squall」「milk tea」を聴きました。

切ない女ごころ、寡聞にしてこれ以上の曲を知りません(^_^;)

 

Squall

Squall

 
milk tea

milk tea

 

 

【王欣太ファンミーティング@京都に参加】結論!王欣太先生はとにかくおもしろい!

王欣太ファンミーティング@京都に参加してきました!

王欣太(キングゴンタ)先生といえば,「蒼天航路」「ReMember」「達人伝」などが有名であり,これまでファンとのサイン会やお茶会を開いたことはあるものの,ファンミーティングは初めてとか。

こりゃ,嫁を質に入れてでも参加せなあかん!というわけで(笑),はるばる仙台から京都まで日帰り参加してきました!

 

自身の備忘録を兼ねて,また50人ほどの参加者だけで共有するのはもったいないので,オフレコ部分はカットして印象に残ったお話を紹介します。

開場前から2時間半,ノンストップで縦横無尽に話が広がって楽しかったのですが,ここでは便宜上,テーマ別にわけて紹介します。

なお,録音・撮影禁止で,あくまで私の言葉と解釈なので,正確でなかったり意味を取り違えていたらゴメンなさい!(^^;)

 

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        <参加者プレゼントの肉筆ドローイング!のびやかで自由な線がいい!>

 

【目次】

【漫画論全般について】

  • 漫画は即興,ノリが大切。ネームはインストルメンタルを聴きながら描く
  • 子供の頃は漫画を描かなかった。モノマネ=特徴をつかむのが得意だった
  • レッドツェッペリン〜マイルスデイビスまで,よく音楽を聴いた
  • 音楽の曲調,熱い,冷たいなどをイメージしながら創る
  • 架空の人物名=日本人が読める漢字+よくある中国人の名前
  • キャラクターデザイン=実在の人物の顔の特長をパターン化
  • 白い紙に黄色い線で描き始めると,脳が活性化して手が動き出す
  • 漫画は右側が左側より強い。上側が下側より強い。場面転換に工夫
  • 漫画はあまり読まない。映画をよく観る
  • 半径5メートルの世界は描かない
  • 大人物は質問に各論で答えない。総論で答える
  • ネームは発想の冒険。ハードルは下げない。同じパターンは一度としてない
  • やり残しがあると,漫画のお化けが出る
  • 手は大事。バストアップの絵には手を入れたい。手が描ければ全身が描ける

【達人伝について】

  • 紳士と流氓(りゅうぼう)の観点から描く。この視点,他の作品にあるまい!
  • 春秋戦国は移動が多い時代。魏の国境すら定かでない
  • 人をまっぷたつに斬るとか,首斬りとか,蒼天航路で獲得した技術は封印
  • 劉邦の「邦」はチンピラ兄貴,姉貴の意味と知り,これだ!と思った
  • 劉邦は蒼天・劉備の原型。司馬遼太郎項羽と劉邦」に感銘
  • 「丹の三侠」は歴史に残ってないゆえ,一人でなく三人にしてぼやかした
  • 白起は,欣太作品にイケメン不在を芸妓さんに指摘され,二枚目を描く挑戦
  • 黥骨は,城の中の紳士にして流氓。白起に死を授ける役のため残した

蒼天航路について】

  • モーニング編集長・栗原良幸氏に大きな影響を受け,鍛えに鍛えられた
  • 前半(劉備の大気炎まで)の台詞は栗原さんの影響が大
  • 当初からずっと手探りで作成。安定するのは赤壁以降
  • 原作者・李學仁氏の最大の功績は曹操を主人公に据えたこと
  • 戦や軍議のシーンは嫌い。説明するのはきらい,絵でわからせたい
  • 人物に関するエピソードを正史から抽出して一覧にして眺め,創作
  • 袁術=サル,諸葛瑾=ロバ,烏丸=トリは,正史の記述からイメージ
  • 官渡の戦いの歩兵シーンは,映画プライベートライアンの上陸シーンから
  • 蒼天航路はR15指定。親が子供と読んでいると聞くとびっくり
  • 馬超は,窪塚洋介出演の右翼映画「狂気の桜」のイメージ
  • 2000年も前の話なので,人間になりたての人間を描こうと。呂布が典型
  • 曹操の死は,五感のひとつを満たせないところで訪れるイメージがあった
  • 最終回を描いた後,23時から打ち上げ,27時にふと閃いて筆で描き直した
  • 関羽を捕らえた馬忠は正史の記載が2箇所のみ。異形の像を膨らませた
  • 曹操は,盤石な漢帝国あっての曹操春秋戦国時代とは前提が異なる

【その他】

  • ピカソの映画を観ると,脳と手が繋がり描きたい衝動が湧く
  • 以前サイン会を開いた時は10〜19時までやって大変だった
  • 野坂昭如さんは,右に書いた文章が左を書かせると語っていた
  • アナログは絶滅危惧種。だからこそ今後,希少価値が出るのではないか
  • デビュー当初,鄭問(チェンウェン)さんの絵を見せられて凄い衝撃を受けた
  • 一番好きな動物は馬。関羽VS曹仁で馬を描ききったと思ったが,まだまだだった

【まとめ】

いかがだったでしょうか?

直接,欣太先生の話を聞いた人たちなら,「そう,そう!」と共感してもらえるのではないかと思いますが,文字にしてしまうと,欣太先生の悠々,飄々とした,おもしろい空気感がすっぽり抜け落ちてしまうんですよね。

 

ファンミーティングは最初で最後との話でしたが,そんなことをおっしゃらず,ぜひぜひ,またファンと交流する機会を設けてください!

そうか,欣太先生は同じパターンのネームはやりたくないと話されていたので,これまで実施したサイン会,お茶会,ファンミとは異なる形態の交流会だったらいいんですよね,きっと!

関係者の皆さま,企画開催よろしくお願いします!

ぜひまた参加します,というか開催に向けて全力で協力させていただきます!(笑)

 

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【王欣太作「達人伝」レビュー】春秋戦国時代を「紳士」「流氓」の観点で切り取った物語

「紳士(しんし)」と「流氓(りゅうぼう)」を知っていますか? 

「紳士」は,よく「あの人は紳士だな」と上品で礼儀正しい「ジェントルマン」の意味で使われます。

「流氓」は「流亡」と書くのが一般的と思いますが,ここではあえて「流氓」と書き,「紳士」と照らし合わせると,以下のような意味を持ちます。

 

・「紳士」:公権力を持つ,上流社会の人 (例)政治家,官僚

・「流氓」:定住地を持たず,さすらい歩く人 (例)商売人,アーティスト

 

歴史は「紳士」とともに,歴史に記されない「流氓」が形成するもの。

たとえば明治維新など,西郷隆盛大久保利通などの紳士が幕府を覆し,坂本龍馬などの流氓がその底流を形作った,と見ることもできます。

坂本龍馬は大したことなかった説もあるようですが,それはさておき)

 

勝者が記す歴史に残らない裏舞台にスポットライトを当て,中華史上初の統一へ向かう混乱怒涛の時代に生きる紳士と流氓の物語,それが「達人伝」です。

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【目次】

【「達人伝」とは?】

従来の三国志のイメージを一変させた「蒼天航路」(1994〜2005年連載)の作者・王欣太(キングゴンタ)先生が,2013年から連載している作品。

蒼天航路は,私的には「ビフォー蒼天航路,アフター蒼天航路」。

つまり,この作品を機に,日本の三国志世界にパラダイムシフトが起きたのではないか?と思うほどの衝撃作です。 

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ちなみに,「王欣太」は中国人ぽい名前ですが,根っからの大阪人(笑)

蒼天航路の連載を始めるにあたり,気合いを入れるため「王」と名乗り,また大阪弁でわんぱくないたずらっこを意味する「ごんたくれ」なやっちゃなーとよく呼ばれていたことから,「王欣太」と名付けたそうです。 

【「達人伝」あらすじ】

舞台は,紀元前の中国・春秋戦国時代。 

荘子の孫・荘丹(そうたん)は小国に住む兵士だが,ある日,強国・秦の手引きで侵攻してきた隣国・斉により,王と親友を殺される。

自身も殺されそうになるが,「9年の間に秦に対抗できる達人たちを集める!」と大ボラを吹き,その意気やよしと命を救われる。

 

荘丹は、達人たちを探す旅に出かけ,出会った二人の仲間とともに「丹の三侠(あかしのさんきょう)」と呼ばれ,戦国四君孟嘗君,平原君,信陵君,春申君)や天下の大泥棒・盗跖(とうせき)などと出会い,活躍していく。

【「達人伝」の魅力その1】

2019年9月現在,24巻まで刊行されており,特に前半では秦の将軍・白起(はくき)の存在を語らないわけにはいきません。

生涯に落とした城の数は70を超え,殺害した敵兵はおよそ100万人。

100万人ですよ!

 

ヒトラーポルポトも数百万人の人々を虐殺しましたが,彼らは直接指揮をとったわけではありません。

白起は将軍として自ら軍の指揮をとり,13万人を斬首したり,2万人を黄河に沈めたり,40万人を生き埋めにしました。

古今東西の歴史を見ても,個人の名前を冠する戦いで,これほど多くの人間を殺した人物はいないでしょう。

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         <泣く子も黙る最強,最恐,最凶将軍の白起>

 

そして,この白起,達人伝中ナンバーワンのイケメンなのです。

以前,欣太先生は,漫画好きの芸妓さんに「ゴンタはんの漫画にはイケメンが登場しはりませんなあ」と言われたそうです(笑)

欣太先生としては,「蒼天航路」の曹操周瑜をイケメンに描いていたつもりだったけれど,あれはイケメンではないと。

それで,「いつか文句なしのイケメンを描いてやる!」と思っていたそうです。

 

ふつう,これほどの虐殺実績を見ると,およそ人間とは思えない,とんでもなく凶暴な悪魔か魔王のような顔に描きそうなものです。

しかし,美形の整ったイケメンに描くことで,とうてい理解できない,理解したくもないような「怪物・白起」ではなく,「人間・白起」の理解へのハードルがグッと下がりました。

 

現代風にいえば,白起が「サイコパス」であることは間違いなさそうですが,彼の獲得した理(ことわり),つまり白起がいかに育ち,戦い,悩み,生きていくか,最強・最恐・最凶の最期に哀しさを禁じえません。

【「達人伝」の魅力その2】

他にも魅力的な人物が続々登場します。

 

たとえば,呂不韋(りょふい)。

「奇貨居くべし」の言葉を残し,商人から秦の宰相にまで登りつめた傑物です。

 

秦の昭王が亡くなり,その子の孝文王が王位を継ぐも,3日後に死亡。

ついに,趙国の人質時代から「奇貨」として保護してきた王子がいきなり荘襄王となり,呂不韋は宰相の座に就きます。

商人としてきわめて有能ながら,藺相如との出会いを通じて自身の欲望の奥底と向き合い,一介の商人を超えて変貌していく様は,人間の器や欲望の深さを考えさせられます。

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            < 商人から秦の宰相に登りつめた呂不韋>

 

たとえば,朱姫(しゅき)。

呂不韋の子をひそかに宿しながら,呂不韋が「奇貨」として投資する王子に嫁がされ,そのお腹の子が後の始皇帝となる女性です。

朱姫は,いったいどのような想いで嫁いだのでしょう?

呂不韋に対する恨み,わが子に対する愛おしさ,王子に対する憎しみなど想像するに余りあり,いろいろ意味で史上最凶といえる懐妊は怖いですね〜

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                     <始皇帝の母・朱姫>

 

たとえば,盗跖(とうせき)。

伝説の大盗と呼ばれ,達人伝前半で白起と並んでひときわ輝く存在です。

「流氓」の代表であり,虎狼の国・秦を穿つべく立ち上がりますが,そこに立ちはだかるのは最強・白起。

 その勝負の結果や,いかに!?

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              <伝説の大盗賊・盗跖>

【「達人伝」まとめ】

同じ春秋戦国時代を描く漫画といえば,原泰久先生の「キングダム」が有名です。

「キングダム」は,主人公・信や秦王・政が天下統一に向けて困難を乗り越えて突き進むストーリーであり,「物語の型」としての新鮮さはありません。
私は「キングダム」も好きなのですが,「達人伝」の卓抜さは,冒頭に述べた「紳士」と「流氓」の観点から,表裏双方の観点からこの時代を切り取ったという点です。

 

って,偉そうに書いていますが,「紳士」と「流氓」の話はぜーんぶ,作者の王欣太先生自身が書いたり,語ったりしていることなんですけどね(笑)

「紳士」と「流氓」の分類はなかなか興味深くて,「この人は紳士80%,流氓20%だな!」とか分析してみるのもおもしろいです。

なーんて話も,ゴンタ先生がコミック表紙の見返しコラムに書いている内容なんですけどね(笑)

 

コミック本編のみならず,巻頭・巻末コラムもおもしろいので,ぜひ!

 

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【王欣太作「ReMember」レビュー】時を超えて再結集する仲間の熱き戦いの物語

ある漫画の登場人物が大好きで,わが子に同じ名前をつけました。

といったら驚きますか?

「ある漫画」とは,「ReMember」。

「登場人物」とは,「レイジ」です。

【目次】

【「ReMember」とは?】

「ReMember」は,2010年〜2012年にモーニング誌上で掲載された王欣太(キングゴンタ)先生の作品。

王欣太先生といえば,三国志の常識をひっくり返した「蒼天航路」が有名ですが,その蒼天航路の完結以来,5年ぶりに週刊連載された作品です。 

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連載当時,私は東日本大震災後の仙台で復興業務に携わっており,精神的に鬱々とした日々を送っていました。

「ReMember」の舞台は,第二次世界大戦後の焼け野原。

「戦後と震災後って,似てるよなあ」と思いながら,毎週食い入るように読んでいた記憶があります。

【「ReMember」のあらすじ】

1945年9月9日,終戦直後の焼け野原に記憶喪失の男が立っていた。

自分はどこから来た何者なのか?

男はヤクザの朝本組・イチと出会い,イチと抗争する劉(リュウ)と戦う最中,劉が無意識に「ザジ」とつぶやいたことから,「ザジ」が通称となる。

闇市ではヤクザ,テキ屋,中華系マフィアが利権を巡って激しく争っており,ザジは闘争の渦中に巻き込まれ,自らの正体に迫っていく。 

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<記憶喪失の主人公・ザジ>

【「ReMember」の魅力その1】

とにかく,登場人物が熱くカッコいい!

その中でもお気に入りナンバーワンが,冒頭に挙げた「銅(あかがね)のレイジ」こと火野零次(ひのれいじ)です。

 

身長180センチ,体重68キロ,切れ長の目にオールバック,細身のスーツにエナメル靴,長ドスが好み。

面倒見が良い一面と冷酷で高慢な一面をあわせ持ち,スリルと興奮が飯より好き。

 

朝本組の親分は,その戦う姿を見て「おおっ零次!やはり速い!やはり美しい!だがやはりちと残虐!」と,その魅力を端的に表しています。

仲間にも,危うい,破滅する,早死にするぞと言われ,レイジは「仕方ねえ 2月28日生まれの性分だ おまけに死に損ないときてる」と答えており,「不死身のレイジ」の異名も持ちます。 

 

レイジは,クレイジーなクールなさとともに心の奥底に熱い魂がたぎっており,以下のようなセリフを吐いています。

「われわれは抗い続けるぞ!」

「リメンバー!命を引き寄せろ ボス!」 

「あんたの指示を待つまでもなく 俺は俺の直感に従い動く それが俺たちの勝機を切り拓くはずだ 俺を顧みず戦え」

生き方に美しく一本筋が通っており,クール&ホットのギャップと強烈で刹那的なキャラクターがたまりません!

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<右のタバコをくわえているのがレイジ>

冒頭,わが子にレイジと名づけたと書きましたが,正確にいうと,名づけようとして断念しました。

生まれた息子の名前を妻とよくよく相談した結果,「漢字はまだ決めてないけど,レイジにしたんだ」と親に報告したところ,「なんだそのヤクザな名前は!やめとけ,やめとけ!」と父母にそろって猛反対されたのです(汗)

 

私は内心,「なぜ,レイジがヤクザとわかった?「ReMember」読んだことないよなあ?」と思いつつ,「全国のレイジさんに失礼じゃないか!」と言いました(笑)

しかし,父母にとってレイジという名はヤクザなイメージであることは事実であり,これは父母世代(父は1947年,母は1950年生まれ)に共通するイメージの可能性もある。

それをあえて息子に背負わせるのはかわいそうと思い,断念しました。

 

その後,出生届の提出期限ギリギリまで悩みに悩み,「ソウタ」と名づけました。

今のところ,見た目,性格ともに,「レイジ」というキレッキレの感じではないですね〜(笑)

【「ReMember」の魅力その2】 

うかつなことに連載当時は気づかず,今回あらためて読んで気づいたのが,「ReMember」というタイトル。

「remember」は,「覚えている,思い出す」という意味ですが,タイトルの「ReMember」はRとMが大文字になっており,「Re」と「Member」に分解されます。

つまり,「Re」は「再び,新たに」という意味を持つことから,「Re」+「Member」は「再び結集した仲間」と読めます。

 

ネタバレになるので詳細は書きませんが,まさに「ReMember」とは,主人公ザジを中心として,悪意により繰り返される絶望的な悲劇に抗うため,記憶を留め,持ち越し,再び仲間が結集しようとする戦いなのです!

 

たとえるなら,前世において戦争により無念の死を遂げた戦友たちが,二度とその悲劇を繰り返すまいと深く心に誓って現世に生まれ変わり,再び出会い,戦争の元凶と戦うといったストーリーです。

 

仏教に「対面同席五百生」(たいめんどうせきごひゃくしょう)という言葉があります。

対面し,同席している人とは,前世で最低500回はともに過ごしてきた過去がある,という意味です。

 

初対面なのに,妙にフィーリングがあったり,意気投合したりする経験はありませんか?

それは価値観が近いからとか,生まれ育った環境が似ているからとか,科学的,客観的にそれっぽい理由づけはいくらでもできますが,私は信じたい。

前世の存在は証明できないだろうけど,存在しないことも証明できず,だったら信じた方がロマンがあり,人生が豊かに感じられ,楽しいからです。

 

「ReMember」の世界では,敗戦の余燼くすぶる闇市で好漢,悪漢たちが血と汗と涙を流して日々格闘しており,冷酷な悪意に対して,時を超えて再びの結集を図り抗おうとする男たちの生き様に圧倒されるのです!

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<左=ヤクザの千代蔵,中央上=テキ屋三代目・音山象三郎,右=ヤクザのイチ>

【「ReMember」まとめ】

敬愛する開高健氏が,最近これといって味わい深い顔をした人間がいない,みんな生き方が薄っぺらで顔ものっぺりして個性がない,ということを何かで書いていましたが,「ReMember」に登場する人物は,悪人も善人もじつに味わい深い。

 

たとえば,ヤクザの組長・朝本は,「人に親分と呼ばれる者は 常に堂々と姿を晒し 生きるもんだ」と語り,路地でキャッチボールしているところに,敵の組員が車で突っ込んできます。
銃撃された子分があえなく息絶えると,朝本はその亡骸を両手で抱きしめ,怒りで青筋を立てながら,「ぶわっ はっはっはっ はっはっはー」「空しいぞ〜〜悲しいぞお〜〜」「なんで俺は笑っとるんだ〜」と語ります。


ここで,泣くのではなく,笑うんです!

さすがのレイジにも「困った人だ」と言われちゃってます。

私が国語の教師なら,「朝本はなぜここで笑ったのでしょうか?その理由を説明しなさい」という良問(難問?)を出題するところです(笑)

それはさておき,これぞ昭和の侠客というか,常人には理解できない感覚,器を痛感させられる秀逸なシーンです。

 

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<「ReMember」1巻 memory6「焼け跡のほとりで」 P154より引用>

このセリフ,この絵力,この迫力を見てください!

じつに味わい深い!

好き嫌いはあるでしょうが,ピンと来た方は王欣太ワールドをぜひご堪能ください。

 

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【王欣太作「ファイアキング」レビュー】子供向け!?マジカル・マンガ・オペラ!

先日,東京のゴンタメッカ に行って以来,三国志を描いた傑作漫画「蒼天航路」と,その作者・王欣太(キングゴンタ)先生の作品の魅力を再確認する日々です。

 

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ゴンタ先生の作品は,だいたい読破してきたつもりですが,「お,これは知らなかった!」と最近見つけたのが「ファイアキング」です。

【目次】

【「ファイアキング」とは?】

「ファイアキング」は,2007〜2009年に講談社Webコミック「MiChao!(ミチャオ)」で掲載された作品を収録したもの。コミック全3巻。

 

蒼天航路」「ReMember」など,講談社の「モーニング」誌上に掲載された作品は連載中から読んでいましたが,Web掲載の作品は知りませんでした。

私も最近は電子書籍を多く読むようになってきましたが,Web漫画はなじみがないなあ。

今どきの若い世代は,漫画も当たり前に電子版で読むのかな(^_^;)

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【「ファイアキング」のあらすじ】

なぜか地獄に迷い込んだ赤ちゃんは,エンマ大王に「梵太(ボンタ)」と名付けられ,おへそに不思議な力を与えられて,人間界に戻される。

ボンタは,60年前,同じように地獄界に迷いこみ,エンマ大王をだまして人間界に戻った羅生門往来人(ラショウモンオールライト)の元で「林凡太(ハヤシボンタ)」と名付けられ,すくすく育つ。

 

ある日,10歳のボンタは,友人のミカ,ユウと猿磨堂(エンマドウ)というあやしい店に入る。

そこで門番ヌーノや奇可猿(キカザル)と出会い,猿人界(エンジンカイ)へ向かう途中で魅猿(ミザル),違和猿(イワザル),そして猿人を襲ってくる鳥人(チョウジン)たちと遭遇する。

 

猿人界が滅べば,人間界も滅ぶ。

大人も子どもも関係なく,皆滅ぶ。

 

ボンタは,猿人界のモウエン大王と約束する。

「ファイアキング」を探し,人間界の戦士とともに猿人界に戻ってきて,この世界を救うことを。

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【「ファイアキング」の魅力その1】

すべての漢字にふりがなが振ってあって読みやすく,すいすい読み進めることができます。

9歳の娘は,本棚から「あ,新しい漫画発見!」と目ざとく見つけ(笑),全3巻をあっという間に読み終えました。

 

王欣太先生の作品には珍しく(笑),大人向けのキケンなシーンはないので,子どもにも安心して読ませることができます。

セリフも平易でわかりやすく,セリフなしでも成立するほど魅力,迫力あふれる絵力にグイグイ引き込まれます。

【「ファイアキング」の魅力その2】

そして,なんといっても,謎が謎を呼ぶ不思議な世界観。

物語の主なキーワードを列挙してみると……

東方国,西方国,閻魔大王,炎のエンマ,六道,鳥居,ツメ入り,最終族長ゼロイー,さるだんご,三流占い師マキシ,獣人,獣神ゴルウとガニバル,獣姫,火の柱,獣神の母ユマテラス,歌神グノス,獣人王……

 

これらの言葉から想起される世界観にワクワクしませんか?

「なになに?」「どういうこと?」「この後どうなる?」と,物語は停滞することなく,ボヤボヤしていると置き去りにされるほどスピーディーに,想像力の先へ先へと進んでいきます。

 

小林秀雄の名言「モーツァルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない」に倣うなら,「ゴンタワールドは疾走する。頭は追いつけない。心で感じろ!」といった雰囲気です(笑)

 

ふと,思い出したのが,「新世紀エヴァンゲリオン」。

もちろん,「ファイアキング」とはぜんぜん世界観が異なりますが, 共通すると感じたのは,神秘的で謎めいたプロットを示し,余白を重んじ,説明をしない。

謎の余白を埋める作業は読者の想像力に任せることで,物語に途方もないスケール感と奥行きを与えてくれます。

まさに,「マジカル・マンガ・オペラ」!

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【「ファイアキング」まとめ】

惜しむらくは,物語が途中で終わっていること。

あえて未完にしたのか,なんらかの事情で打ち切ったのかわかりませんが,いよいよこれから!というところで終了しているのは少々残念。

 

とはいえ,コチコチに凝り固まった頭をもみほぐし,童心にかえって不思議ワールドで存分に想像力を遊ばせたい人には,オススメの一冊です。 

とにかくゴンタ先生の絵には「力」があり,美しいんですよね〜

 

イデアに行き詰まって悩んでいる人は,クリエイティブな発想のヒントが得られるかも!?

 

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【王欣太作「地獄の家」レビュー】「蒼天航路」破格の人・曹操のモデル

先日,友人が勧める小説を読んだところ,最後まで全然おもしろくなくて,びっくりしました(苦笑)

なぜ,つまらないのか?

 

信頼する複数の友人が勧めるのだから,私の感性がおかしいのではないか?

そう思って読み返そうとしましたが,読み返すことすら気が進まずおっくうで,そっと閉じました。

 

なぜ,つまらないのか?

 

これまで,「つまらない」と感じた本の共通点を分析してみたところ,キーワードは「非日常性」「ドラマチック性」「不可解性」の3点。

淡々とした日常を描くだけ,盛り上がりに欠ける,理解力と想像力の範囲内に収まり未知や不可解性がない作品は,私にはつまらなく感じるのです。

 

久しぶりに読み返した「地獄の家」は,「非日常性」「ドラマチック性」「不可解性」が三拍子そろった,ワクワクしておもしろい作品です。

 

【目次】

【「地獄の家」とは?】

「地獄の家」は,王欣太先生のデビュー作「HEAVEN」に続き,1992〜1993年にアフタヌーン誌上で連載された作品。

講談社漫画文庫刊,全26話,上・下巻計約1,200ページ。

 

王欣太先生といえば,「蒼天航路」が有名です。

吉川英治はじめ,劉備を主人公とする「三国志演義」に親しんできた私は,「蒼天航路」の曹操の破格っぷりに,「冷酷非道な悪役じゃなかったの!?」と,頭をこん棒でぶん殴られるほどの衝撃をおぼえました(笑)

 

実際のところ,正史「三国志」の作者・陳寿は,曹操のことを「破格の人」と評しており,実像は「三国志演義」より「蒼天航路」の描く曹操像に近いのではないでしょうか。

 

そして,破格の人・曹操を彷彿とさせ,この人物をベースに曹操を創り上げたであろうキャラクターが,「地獄の家」の主人公・北晴郎(きたはろう)です。

 

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【「地獄の家」のあらすじ】

裏表紙に掲載されているあらすじを紹介します。

強烈な個性の怪物俳優・北晴郎ー崇拝,憧憬,憎悪,反発ー。

息子・享一や,隣の名門俳優一家・星山の面々は,晴郎に呪縛され,本性を暴かれ,彼らは地獄の様と化すのだった!

天才女流監督・怜子のもと,享一主演,星山一家共演の映画が撮られる。だが怜子は,役者の人格を破壊し屈服させるのだ!

晴郎は,家族らが廃人と化そうと,あくまでも我が道を突き進む!

誰も晴郎から目が離せない!

まさに,北晴郎という破格の人物のため,家族はじめ周りは振り回され続け,時に反発し,時に崇拝し,時にその支配力から逃れようとする。

しかし,何が起ころうと決してブレない圧倒的カリスマの磁場からは,絶対に逃れられない。

だがそれでよい,それが心地よい!という「地獄の家」なのです。

【「地獄の家」の魅力その1】

とにかく,主人公・北晴郎の一挙手一投足が常識や理屈では理解できず,不可解でありながら一面の真実を突いており,目が離せません。

 

(ここから少しネタバレ)

たとえば,晴郎は妻がいるのに,隣の星山家の高校生の娘と一夜を共にします(娘から押しかけたのですが)。

当然,星山パパは「ゆうべ…何があった?寝たのかあ?」と晴郎を問い詰めます。

晴郎は悪びれた様子もなく,「おう」の一言。

 

あっけにとられながら星山パパが,「貴様〜私の娘に手を出しおって〜どう責任を取るつもりだ!」と激怒します。

すると晴郎は,晴れやかな表情で「結婚しよう」。

奥さんはどうするんだ?奥さんと別れない限り結婚できるわけないだろう!と星山パパが問い詰めると,「そうなのか」と,すっとぼけた表情。

 

殴りかかろうとする星山パパを意にも介さず,空を見上げて「雨だ」。

なんてことをしてくれたーっ!と泣き崩れ落ちる星山パパに,泰然として「死んでもいいのではないか」「舞(娘の名前)は最高傑作だ」「それだけでおまえはこの世に生まれた価値はある」。

【「地獄の家」の魅力その2】

どう思います?

晴郎は言語明瞭,意味不明,支離滅裂,空気が読めず,完全にイカれてますよね?(笑)

自己中心,傲慢不遜,人格破綻と言っていいかもしれません。

 

しかし,この微塵も動揺を見せない泰然自若とした晴郎を見ていると,彼の中の軸を貫くなんらかの哲学,美学があると感じざるをえません。

晴郎は,常に本気で全力で真剣で,その生き方に嘘,偽り,迷いはなし。

彼のその哲学,美学とは,現代社会の常識の枠内に収まりきらない類のものだけれど,人間として,生物としてはおそらく正しい。

 

たとえば,晴郎の「結婚しよう」発言ですが,一夜を共にした異性と一緒になる行為は,動物界ではごくごく当たり前。

話が大きくなるので詳細は省きますが,結婚制度や一夫一婦制度が定着したのは,500〜600万年という人類の歴史から見れば,ごくごく最近のこと。

これらの制度が,私たちのDNAレベル,本能レベルの常識として浸透・定着しているとは,ちょっと思えません。

 

また,晴郎の「それだけでおまえはこの世に生まれた価値はある」発言ですが,たしかに生物にとって何が大事かといえば,死なずに生き延びて良い子孫を残すこと。

その個体がどれだけ弱かろうが愚かであろうが,良い子孫を残すことさえできれば,種としてそれ以上に優先されることはありません。

 

私自身,子供が生まれた時に,「自分の代で遺伝子を絶やさず,次代に引き継ぐ責任を果たせた!」と,理屈でなく動物としての本能がホッと安心したことを思い出しました。

 

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【「地獄の家」まとめ】

断っておくと,私は晴郎の言動を全面的に擁護するものではありません。

「そりゃないわー」という振る舞いも多々あるし,全面的に支持する!など言ったら,世の中の女性すべてを敵に回してしまいそうです(笑)

実際,晴郎のような人が身近にいたら,周りは振り回されて身が持たないでしょう。。。

 

なにやら小難しい話をしてしまいましたが,Don't Think,Feel!

作者の王欣太先生は,とにかくおもしろいことが大好きなので,真剣の中に笑いあり,笑いの中に真剣あり。

純粋にエンタメを楽しみながら,意識の奥底で感じ,考えさせてくれる作品なので,興味を持たれた方はぜひ!

 

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【王欣太作「HEAVEN」レビュー】蒼天航路〜王欣太先生の原点がここに!

本にもな,オスとメスがあるんや。

この本は,まぎれもなく本のオスや。

最近ではめずらしい,本のオスや。

   〜三代目魚武濱田成夫〜 

これ以上この本の本質を鋭く言い当てる言葉はなく,これ以上の言葉は不要かもしれません。

でも,語りたいので勝手に語ります(笑)

それは,王欣太(キングゴンタ)先生の漫画「HEAVEN」です。

【目次】

【「HEAVEN」とは?】

「HEAVEN」は,1990〜1992年にアフタヌーンに連載された王欣太先生のデビュー作。

講談社漫画文庫刊,全20話構成の660ページ。

王欣太先生といえば,代表作「蒼天航路」が有名であり,現在も春秋戦国時代を舞台に血湧き肉躍る「達人伝〜9万里を風に乗り」を連載中です。

 

ちなみに「 達人伝」は,原泰久先生「キングダム」より少し前の時代。

生涯100万人を殺した史上最凶武将・白起,少年時代の秦の始皇帝・政,その宰相となる傑物・呂不韋,後に漢の高祖となる少年・劉邦などが登場してきて,こちらも目が離せません!

達人伝?9万里を風に乗り?(24) (アクションコミックス)

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【「HEAVEN」との出会い】

私は,連載中から「蒼天航路」のファンであり,もっともっと王欣太先生の作品を読みたい!と2001年に入手したのが,この「HEAVEN」でした。

しかし,当時はこの作品の良さがいまいち理解できませんでした。

 

蒼天航路」と比べると絵のタッチは荒々しく,酒,暴力,セックスが渦巻く世界観。

かといって,ドロドロした暗い話ではありません。

自由奔放な街「ヘブン」を舞台に,陽気で腕っぷしが強い主人公トーマが,ありとあらゆるトラブルに刺激的かつ愛あふれるアプローチで挑んでいく,笑いあり涙ありのストーリー。

 

文句なくおもしろいものの,「蒼天航路」のような史実に基づくカッチリとした世界観を期待していた私は,ちょっと肩透かしを食ったような気がしました。

【「HEAVEN」の魅力再発見】

ところが今,あらためて読み返してみると,これがじつに味わい深く,身に沁みてくるのです。

「デビュー作には,作家のすべての萌芽が潜在している」といいます。

まさしく,1話1話がそれだけで小説や映画1本として成立しそうなほど濃厚で練り込まれており,王欣太先生の原点が凝縮されている!と感じました。

【「HEAVEN」のストーリー】

 具体的にどんなストーリーなのか,お気に入りのあらすじをいくつか紹介します(ネタバレなし)。

  • 退屈しのぎに自分の命を狙うよう殺し屋を雇った老人が,トーマにボディーガードを依頼したところ……「The ENTERTAINER」
  • 5,000万円を賭けて,トーマと仲間のどちらが先に競馬場へ着くか競走したが……「The DOGRACE」
  • 天才女性写真家がトーマの日常を撮影。自然体を崩さず,思うような写真が撮れない苛立ちから殺そうとして……「LOVE SHOOTING」

 

  • 余命いくばくもなく,自暴自棄で酒ばかり飲んでいたワンマン社長が酒場でトーマと出会い……「THE NIGHT SPIRIT OF HEAVEN」
  • 老大文豪が大女優の家から「あるもの」を盗んでほしいとトーマに依頼。大女優と鉢合わせしたトーマは……「OLD LOVE LETTER」
  • 本物の予知能力があるものの,ヘブンに来て自信喪失していた予言者。トーマは彼を立ち直らせようとして……「PROPHET」

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  • 最愛の彼女にフラれ,酒に溺れてすさんだ日々を送る画家。モチベーションを失った彼にトーマは……「FLIP,FLOP & FLY」
  • たこ焼き屋のおばあちゃんの孫娘が大富豪と結婚。街を挙げて大富豪を歓待するが,トーマは……「THE STREET STAND LADY」
  • クビになった芸人を助けるため,10年間笑っていない大御所社長を笑わせる約束をしたトーマは……「THE BIG BOSS OF COMEDY」

 

  • シーズン最下位の野球チームが,ヘブンの草野球チームと対戦。豪速球投手は本気でトーマと対決して……「PRIMITIVE BASEBALL
  • 夫を亡くし,孤独にカフェを営む女性にひそかな思いを寄せる男。彼女を慰めてほしいと男はトーマに頼むが……「LUCKY CAFE」
  • トーマと意気投合するヘブンの市長が,トーマともどもヤクザ議員に監禁拘束。脱出を図る二人だが……「THE MAYOR」

  

ああ,全20話のうち,ついつい勢いに乗って12話も紹介してしまいました。

どれも,続きが気になるでしょ?(笑)

全編ハズレなし,珠玉の短編集です。

【「HEAVEN」まとめ】

王欣太先生は大阪出身。

大阪弁のトーマは欣太先生の分身とのことであり,「ヘブン」は大阪をベースに昇華させた理想郷「天国」かもしれません。

 

私はかつて京都,奈良に暮らしたことがあり,そのまま骨を埋めるつもりでした。

義理人情に厚く,勢いが大事で,ちょっとコワい(笑)大阪〜 関西の風土や人々が好きなので,「HEAVEN」も大好きです。

 

一方,このような作品は,現在私が住むおとなしい仙台〜東北の風土から創造されることは考えづらく,好き嫌いもわかれることでしょう。

お上品な方には,あまりオススメしません。

 

「HEAVEN」はまぎれもなく「オス」の本です。

ピンときた方はぜひ!

HEAVEN (アフタヌーンコミックス)
 

 

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