ウェルビーイング・クエスト〜きくっちの日記〜

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地方公務員のお仕事(中央省庁派遣編)

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こんにちは。

ウェルビーイング・クエスター(心と体のしあわせ探究家)きくっちです。

 

皆さんは,地方公務員がどんな仕事をしているか知っていますか?

私は民間企業(新聞社)で3年,中央省庁(内閣府)で2年,地方公務員(市役所)で12年の勤務経験があります。

そこで,「民間企業」「国家公務員」と比較する視点から「地方公務員」の仕事を紹介したいと思います。

シリーズもので,今回は「中央省庁派遣編」です。

 

 

【この記事を読んでほしい人】

・就職,転職先として地方公務員を検討している人

・民間企業,地方公務員,国家公務員の違いを知りたい人

・地方公務員が何をやっているかわからず,税金泥棒と思っている人(笑)

 

【地方公務員なのに中央省庁で勤務?】

地方公務員のメリットの一つに,全国転勤がないことが挙げられます。

が,一部例外あり。

東京事務所や中央省庁へ異動を命じられることがあります(確率的にはかなり低いですが)。

「命じられる」と書きましたが,正確には「打診される」。

つまり,「断る」こともできます。

 

私が知っている人でも,家族の事情等を理由に断った人がいますし,「数人に断られて,あなたしかいない!どうか引き受けてもらえませんか?」と人事課に泣きつかれ,やむなく引き受けた人もいます。

(「あなたの優先順位は低かったのですが」と言っているのと同じで,かなり失礼な話ですが,それはさておき)。

 

【中央省庁派遣のメリット,デメリット】

「転勤がないと思って地方公務員を選んだのだから,東京勤務なんてイヤだ!」という気持ちもわかります。

が,実際に中央省庁勤務を経験した私の結論は,「せっかく声を掛けられたのなら,チャンスを生かすべき」。

 

中央省庁勤務のデメリットは,

「引越が面倒」「通勤ラッシュが地獄」「東京は物価が高い」「地方の持ち家に住めないのに住宅ローンを払わないといけない,東京の家賃も払わないといけない」「配偶者が仕事を辞められず別居になる」「子育て環境として不適切」そして「官僚にこき使われて廃人にされそう」などなど。

 

一方,メリットは,

「日本の政治・経済・文化の中心地で,最先端の情報,トレンドに触れられる」「公務員の最高峰・最難関組織である霞が関で優秀なキャリア官僚と働き,仕事ぶりを学べる」「キャリアに箔がつく(笑)」などなど挙げられます。

 

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【家族問題】

当時,私は既婚で子どもはいませんでしたが,妻はフルタイムの正職員。

悪い上司が「嫁さんを置いて行った方が楽しめるぞー」とアドバイスをくれましたが(笑),妻に打診したら「じゃあ,仕事辞める」。

私にゾッコンだったからではなく(そうだといいのですが……),現業系の仕事で体力的,精神的にしんどく,中長期的に続けるのは厳しいと悩んでいて,ちょうどよいタイミングだったそうです。

 

少々脱線しますが,

東日本大震災津波により,妻の元職場の同僚は亡くなりました。

もし,妻も辞めていなければ,亡くなられた同僚と共に行動する決まりだったので,おそらく命を落としていたと思われます。

人間万事塞翁が馬,何がどのような結果に結びつくかわかりません……

 

話を元に戻すと,家族が同意・協力してくれて状況の整理がつくならば,多少無理をしてでも行くべき!と思います。

 

東京にいる間に子どもが生まれたのも,良かった点の一つです。

私以外にも,「東京勤務になってから,ほしかった子どもが生まれた!」という人が数人います。環境変化が人体に及ぼす影響は,想像以上に大きいのではないでしょうか。

また,東京は出会いが多いのでしょう,彼氏彼女,結婚相手を見つけた!という独身男女も数人います。

 

【住宅問題】

住宅問題に関しても,まさに私は住宅ローンを組んで家を新築し,完成して住み始めようというタイミングでした。が,1日も住むことなく東京へ(涙)

盆と正月に帰省して暮らす以外,2年間空き家状態で非常にもったいなかったのですが,幸い二世帯住宅で親が時々メンテナンスをしてくれたので,その点は助かりました。

 

東京の賃貸住宅も,多少の家賃補助は出たので,「2年間放置して,新築住宅特有の化学的なにおいが抜けた!」「子育てに良い環境が整った!」と前向きに捉えることにしました。

  

【エリート官僚の仕事についていけるのか?】

かくいう私も,「どうしよう!東大卒だらけの最優秀のエリート官僚についていけるかな?」と不安いっぱいでした。

が,数ヶ月後には,「キャリア官僚?ふつうだよ。だって同じ人間だもん」と言っていました(笑)

 

人は未知のものに恐れを抱きますが,知ってしまえばどうということはない,ということはよくあります。

「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花」という句がありますが,

「官僚の 正体見たり エイリアン」ではなく,「官僚の 正体見たり ホモ・サピエンス」というのが率直な感想です(笑)

 

もちろん,物事の本質を素早く理解する能力はじめ「優秀だなあ。すごいなあ。真似できないなあ」と感じる人がいることは,間違いありません。

しかし,少なくとも,凡人である私が全く理解できないような類の人物には出会いませんでした。

 

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【身分,給与】

地方公務員が中央省庁へ出向する場合,「研修生」か「割愛職員」の身分になります。

「研修生」は,給与も地方公共団体の負担で,身分も地方公務員のまま。

「つぶれても,次の人材を派遣してくれるだろう」とこき使われる場合もありますが,派遣する地方自治体も優秀な人材が余っているわけではなく,つぶされたら「もう派遣しない!」と打切りもしばしば。

 

友人の研修生は,「昨年度,A市からの研修生は5月で倒れて後任が打ち切りになってさ〜B市から来てくれたキミはタフで助かるよ〜」と言われたそうです(汗)

 

一方の「割愛職員」は,給与が国の負担。

身分も一度地方公務員を辞めて,国家公務員扱いになります。

「お前のカネは国が払っているんだからな!」と,研修生よりこき使われる可能性大です。

 

私は「研修生」として派遣されたのでマシでしたが,「割愛職員」として派遣された同僚は,大して英語も話せないのにワクチンを打たれまくって海外に出張させられたり,大変だったそうです。

 

【派遣期間】

派遣期間は,だいたい12年。

私の聞く限り,総務省1年,その他の省庁は2年が多い印象です。

30年も40年もあそこで働き続けると考えると気が遠くなりますが,12年であれば「お金をもらいながら修行できる!」と前向きに捉えられるのではないかと思います。

 

【仕事内容】

省庁や配属先により千差万別ですが,私は内閣府の某部署で,委託調査事業や税制改正要望,法改正準備業務等に携わりました。

基本的に,前任の研修生の仕事を引き継ぐ形で,「ネットや関連文献で調査する」「各種資料を作成する」裏方的な仕事が多く,分類的には「企画・調査系業務」に相当します。

おそらく,地方から派遣される研修生は,この「企画・調査系業務」を担当することが多いのではないかと思われます。

 

ただ,裏方とはいえ,私が作成した資料を手直しして公表したり他省庁に提出したりするので,けっこう責任は重い。

内容の正確さ,論理の整合性に注意したのはもちろん,「こういった視点から突っ込まれるのではないか?」と想定問答をした上で,もれなくダブりなくポイントを資料に盛り込むよう心がけていました。

 

【年間スケジュール】

これまた,省庁や配属先により千差万別です。

一般的な傾向としては,国会開会中(16月),そして税制改正要望および予算要求時期(812月)が忙しいでしょう。

 

ただ,本当に職場により,時期により異なります。

私自身,残業せず毎日定時で帰宅していた時期もあれば,夜中の23時まで働いた繁忙期もあります。

 

研修生の身分だと,一般にプロパー官僚より残業は少ないと思いますが,一応,地方公共団体を代表して来ている手前もあり,「残業したくない!」と声高に叫ぶこともできません(笑)

多忙な職場に当たるかどうかは運不運であり,忙しさを自分でコントロールしがたい点は難点ですね。

 

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【向いている人,向いていない人】

一言で言えば,「レジリエンス」が求められます。

レジリエンスとは,しなやかさ,強靭さ,回復力などという意味です。

地方から中央省庁へ派遣されれば,まず住環境,家庭環境が変わり,職場では新たな人間関係を一から築き,潤滑に仕事を進めなければなりません。

 

と書くと,極めて高度な能力が必要そうですが,

「ある程度の環境変化に適応する能力」「ある程度の人間関係を築ける協調性」「ある程度の精神的・体力的な耐久力」があれば,務まると思います。

 

誰でもできる!とまでは言いませんが,地方公務員になるくらいであれば,「何を言っているかわからない!」「速すぎて仕事についていない!」といった業務能力上の心配はほぼありません。

それより,「初めて出会う境遇が異なる人たちと,潤滑な人間関係が築けるか?」というコミュニケーション能力が重要と思います。

それさえあればなんとかなり,逆にそれがない人は非常に厳しいと思います。

 

【やりがい】

やりがいは間違いなくあります。

オレたちが日本を動かしているんだ!とまでは言いませんが,霞が関には「法治国家・日本」の権力が集中しています。例えば,法律やガイドラインの策定・施行は,社会にとてつもなく大きな影響を与えます。

 

その影響力の大きさは,良くも悪くも地方公務員や民間企業の比ではないでしょう。

最近では,天下国家や仕事の意義を声高に語る官僚は少ないかもしれませんが,間接的な仕事であっても,仕事の責任の重大性は折に触れて感じるはずです。

 

【大変な点】

基本的にどこの職場でも変わらないと思いますが,大変なポイントは2つ。

1つは人間関係,もう1つは残業。 

私は,人並みのコミュニケーション能力や体力があり,幸いにして,良好な人間関係を築き,残業時間にも配慮してくれる良い職場環境に恵まれたので,「これは大変だった!」というのは正直あまり思い当たりません。

 

もっとも,私自身は被害を受けなかったものの,物凄いパワハラを受けている同僚や,連日遅くまで長時間労働している同僚はいましたが……

 

私が環境に恵まれたのは,ほぼ「運」です。

私がいかに努力しようと,ひどい人間関係の環境に放り込まれ,長時間労働を強いられたら,コントロールのしようがありません。

 

今思えば,そのような良い職場環境に恵まれるかどうかは相当なリスク。

可能な限り,「中央省庁派遣を打診された時点で,前任者に状況を聞くこと」「前任者がスーパーマン的な人物で,自分も同様の仕事ぶりを期待されないか確認すること」をオススメします。

 

【まとめ】

いかがでしたでしょうか。

地方公務員にとって中央省庁派遣は,組織文化の異なる環境へ飛び込むわけで,最もストレスの大きい人事異動のひとつと言えます。

 逆に言うと,これを乗り越えられれば,怖いものはなし(たぶん)。

これを上回る劇的な環境変化は,転職くらいでしょうか。

 

滅多にないチャンスであり,人事課から打診されたら,それは自分が「力量あり」と見込まれてのことなので,状況の都合がつく限り受けた方がいいでしょう。

 

痩せても枯れても腐っても(と言ったら大変失礼ですが),霞が関はやっぱり霞が関

今もって,日本の政治・経済は,霞が関を中心に回っています。

その後,いかなるキャリアを歩むにしろ,霞が関の空気を吸って仕事をした経験は,大きな財産になると思います。

 

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